東工大(東京科学大学/東京工業大学)に合格するための勉強法・参考書ルートの紹介を中心に, 受験対策に関して思うことを通説交えながら書き連ねていく. 塾・予備校についても少し触れる. 以下の内容は自分自身の経験(個別指導のバイト経験含む)が基になっているが, 実際のところは実力のある先人がやってきたこと, 既に確立されている王道的な方法論をほぼそのまま真似て実行したにすぎない*1. 先人による受験体験談の蓄積があるのだから, 自分の直感だけを信じ自己流に走るよりも成功者の方法をまずはパクってみる方が確実である. 実際, 成功者の方法を軸にしてそこに多少の試行錯誤を加えることにより合格を勝ち取ってきた人は過去多くいる. 逆に何も考えず完全自己流を試し先人が経験した失敗の再現を行ってしまうようでは賢いとは言えない. 東工大(東京科学大)レベルの大学の入試では基礎基本の穴やちょっとした理解度の差, 定着度の差, 経験値の差の蓄積が結果的に大きな点数差となってあらわれる. 「何を勉強したのか」「どう勉強したのか」「どれくらい勉強したのか」が重要であり, 特にはじめの2つは何を使って勉強したのか(参考書問題集はもちろん塾予備校をどう利用したのかも含む)にも依存している. 実際, 世の中の合格体験談で主に語られているのは使った参考書問題集, 利用した塾予備校やその講座名, 勉強の方法論の3つであり, 合格者の多くはこれらを合格の本質とみなしているわけである. 自身の経験からもそれは正しいことのように思える.
各科目の勉強法
数学
①教科書 (初めから始める数学/学校の授業/大手塾予備校の映像授業も含む)
②青チャート
③1対1対応の演習
④新数学スタンダード演習
⑤新数学演習
①: 学校の授業などでカバーされており進度にも問題がないという場合は教科書は不要かもしれないが, そうでないのなら教科書*2を読み進めながら青チャートと同時並行するのがよい. このステップを省いて完全初学で青チャートの問題をやると解答解説で詰まるところが多くなり効率が落ちる or 理解が浅くなり単なる「丸」暗記になってしまうことがある.(分野によっては青チャートの基本事項のページだけで済むものもあるので臨機応変にやるのがいい). 意味内容の理解を意識する. 最低限の重要公式は暗記しておく (直ちに導出できるものは導出を覚えてもいい. 何を覚えるべきかについては教科書をじっくり読めば自然とわかってくるもの. わからないのなら問題をやりながら判断すればいい.) どうしてもわからないところが出てくるのは自然なことなので挫折したと思わずとりあえず先に進むのも1つの手であるが, どうせわからないからと決めつけてはじめから証明を読み飛ばしたりするのはよくない. 教科書はとりあえず1度理解しておけばよく, 意識的に何周もする必要は無い.
②: 教科書と並行して進めていく(勉強がかなり遅れている人は基礎問題精講をかわりにしてもいい). まずは例題と下の練習問題だけをやる. 定着や効率の観点からスピーディーに全体を1周するため, 練習問題は後回しにして例題の完成を優先するといい. 合計3~4周くらい繰り返しやり, どの問題も見たらパッと解けるようにしておく. 1周目は自力で解く必要はなく解答解説を理解することに集中した方がいい(③でも同様だが, 解説を読んでわからないものがあったとしてもわかるまで考える. もちろん調べたり人に聞いたりしてもいい. )が, 2周目以降は「見て復習」「解いて復習」を組み合わせながら, ややアウトプット重視でやっていくといい. アウトプットしてみて解けた問題は4周目は飛ばしていい. 特に計算がらみは, はじめのうちは例題の方法をじっくり追ってみるのがいいが, 自分で手を動かして計算することも重要であるのでそこはサボってはいけない. 頭ではわかっていても結果が合わないことがあるのが計算というもの.
③: 青チャートのエクササイズをかわりにしてもいいが1対1全問を推奨する. ②と同様の方法で全問完璧になるまで, 目安として3~4周くらい回す. どちらを選択しても問題数はほぼ同じ, どちらも王道的選択なので真剣に悩む必要はない. チャート例題+α(例題の一歩先の運用)問題, 例題では扱いきれなかった重要な内容や重要典型問題の補充がメインなので飛ばすのはナシ. 基礎を「漏れなく」完璧にしてはじめて基礎が完成したと言える. 1問でも解けない問題があれば致命傷を負うことになる. 意外とこのあたりで差が開く. 1周に時間がかかりすぎると定着や効率の面で悪いので例題を先に完成させてから演習題を完成させるとよい.
④: ここから先はアウトプット型問題集. 2周くらいでいい. 特に解けなかった問題の復習にはそこそこ意味がある(次回復習までの期間はけっこう空いてもOK)が, ④⑤段階の問題集はどれも網羅性が無い. 重要な内容は②③でかなり網羅されている一方, ④⑤段階の問題集1冊で入試問題パターンを全て網羅できるかというと全然そうではない. 載っている問題も偏っていることが多いので何冊も何百問も量をこなして経験値を上げることに意味がある. 解けそうな問題は自力で解けばいいが, 解けなさそうなら解答解説のヒントや方針の欄を参考に取り組んでもいい. それでも解けない場合もあるわけだが, 通常の難関大試験本番では25~30分程度で答案作成まで終わらせなければならないので30分以上悩むのは悩みすぎである. 特にBレベルの問題には5分以上手頭が止まるようなら解答解説をすぐ見てもいい場合もある. ④⑤の段階でも新たに入れるべき知識はまだ少し残っていたりもする(だからと言ってインプット中心にならないようには意識する. ⑤にも共通するが, 1問ごとになんでも定石化し覚えるべきことをどんどん増やしていくというスタンスで取り組むのは良くない. むしろ定石はなるべく一般化し, 覚えることを少なくしていくべきである. 受験数学で重要な定石は本来そんなに多くはない.).
時間に余裕があれば 文系プラチカ・数ⅢCプラチカを追加するのがいい. 旧帝過去問を各校15年分ずつ(Dレベルの難問は省いて)やるという方針でも良い.
⑤: ④と同じようにやればいい. D問題はスルーしよう. これより難しい問題集をやってもあまり意味がない. 「より難しい問題集に取り組めばより難しい問題が解けるようになる」 「東工大をこえるレベルの問題集をやれば東工大の数学は余裕で解けるようになる」といった考えは誤り. ④~⑤の段階で最も重要なのは, 量をやること. 演習価値の高いB~Cレベルの良問を800問くらいやっておけばとりあえず大丈夫. 時間に余裕がある場合まずは他の科目を優先させるべきではあるが, それでも余裕があるのならこの後に 文系プラチカ・数ⅢCプラチカ, ハイ完, やさ理・ハイ理, 月刊大数*3, 上級問題精講 を追加して演習量を増やすのが良い. 旧帝過去問を各校15年分ずつ(Dレベルの難問は省いて)やるという方針でも良い.
数学の問題演習は大きく分けて②③(インプット)と④⑤(実戦演習)に分けられる.
インプット(②③) 東工大の数学は知識, 経験で攻略できる. ゼロから発想する力(ひらめき) は要求されていない. 参考書問題集から得られる考え方や手法を初見の問題に運用することがほとんどの場合で要求されている. 運用力を引き上げる為には, 理解するだけでなく暗記することも重要である. 理解と暗記が両方揃って初めて高度な運用力が身につく. 理解重視の反復学習で自然と頭にたたき込むような勉強が理想である. 特に青チャート・1対1には重要な内容が多く含まれているので解法・パターンを暗記するくらいまでやっておきたい. ここでいうパターンとは問題のパターンだけでなく考え方のパターンの暗記も含んでいる. 特に重要なのは 問題からエッセンスを抽出して自分の言葉で簡潔にまとめ(汎用性の高い重要な考え方や手法, 定石の部分を抜き出し一般化してまとめ) *4, なぜその解き方が正しいのか・なぜそのアプローチが採用されているのか・何を意図してその式変形をしているのか等々よく考えることである. 内容次第では解法をフローチャートのようにして整理することも有効.
1周目2周目のうちは基本的にすぐ解答を見てもいい. 大事なのは解答解説を見る前に問題文をしっかり理解し短期記憶に入る程度には読み込み解答の指針を簡単に想像してみること, 解答を見ながらor見た後によく理解することである. 過程が省略されていると感じたら実際に手を動かして計算など確かめてみたり, 図をかきながら内容を整理していったりする.「とりあえずなんとなく小説みたいに読んだだけ」「手順を追っているだけ」にしない.
実戦演習(④⑤) ④⑤の段階でもほぼ同様, もし初見ならどのように考えれば, どう発想すればうまくいくのか, 複数の解法が有り得るならそのうちのどの解法を選ぶのが賢いのかをその解法を選択した理由も含めておさえておくなど, 模範解答の解法に必然性を見いだすことと, エッセンスを抜き出して(②③で習得した基本パターン・解法パターンがどこにあるのか見抜いて)他の問題にも広く通用する形でまとめておく(特に抜け落ちていた知識や新たに得た知識などは専用のまとめノートに記入しておく)ことである*5. 気になることがあれば1対1対応の演習に戻って関連の問題や定石/重要手法をチェックする習慣をつけることも推奨する*6. 解答解説の妥当性や正しさになんとなく納得するだけでは勉強になっていない(ただし取り得る全ての手段を駆使してもどうしても理解できないのならとりあえず暗記して先に進んでもいい).
特に②③が簡単に見えるからと言って省こうとする人がいるが認識を改めるべきである.
・挫折を避けるためにレベル順に教材を継ぎ接ぎし最終的に難しい問題集に到達できたらOKというものではない. 実際, 難しい問題集に挫折無く取り組めているのに成績全然ダメな人は多くいる(挫折なく取り組むだけならとても簡単なので勘違いしやすいのかもしれない). 難しい問題集に「到達すること」「取り組めるようになること」を目標にしても意味がない. 易しいとか難しいとか関係なくその教材から何をどれだけ身に付けたかが大事.
・易問は, 易問が解けるようになるためだけにあるということでは必ずしもない. 重要な手法や考え方・定石を深く理解するには, 最も単純でわかりやすい(本質が浮き彫りになった)例を通して学ぶことが肝心であり, 単純でわかりやすい問題は易問になりやすいというただそれだけのことである. 目の前の問題が解けるようになることはそれはそれで重要だが, その問題から何を学んだかも重要である. 問題の難易度なんてどうでもいい.
・「簡単そうに見える」と「簡単」は全然違う. 青チャートや1対1に載ってる問題で1問でも解けない問題, 理解の浅い問題があれば基礎が固まっていないと言える. 基本固めをやったことがあるだけ, 見たことあるような問題が多いだけ, 解ける問題が多く存在しているだけでは基礎が固まっているとは言えない. 基礎の完成度, 徹底度が重要.
・東工大を受験するというならば上に挙げたような教材から得られる重要手法や定石は常識になっていて当然である. 基礎計算力・処理力で意外と差がつく. 基礎計算力・処理力をつけるには(計算ドリル的な感じで)ある程度数をこなして体に馴染ませなければならない. 4stepのような傍用問題集をメイン教材に取り入れて自習する必要はないが, 青チャート&1対1に載っている程度の分量は最低限確保して欲しい. 誰もが手つかずになるような難問で方針が見えていれば計算が多少間違っていても大目に見てもらえるかもしれないが, 合否を分けるようなレベルの問題において「方針は見えていたのに計算が...」のような言い訳は基本通用しないと思っておいた方がいい.
・強固な基礎力, 処理力計算力があればCレベルの問題を解く際にも問題の見通しが良くなる. 試行力が身につく. ハイレベルを目指すのならまずはハイレベルな基礎力から.
・「実戦問題で基礎を確認すればいい」はよくある言い訳である. 実戦問題で基本的/重要な考え方をその都度確認するのはそれはそれで大事なことであるので否定しないが, 基礎がグラグラであっても実戦演習を急ぐべきという考え方は否定しておきたい. 挫折しやすいからではなく, 勉強の質が落ちやすいから. その分野の実戦問題とその分野の典型基本問題がわかりやすく対応しているとは限らないので基礎を基礎と見抜く力がないと成り立たない勉強であるが, その力があるなら既に実力はついていることになる. 入試問題というのは検定教科書の範囲内で出題するのが原則であるので, 基礎力の弱い人であっても解答を読んで1行1行追えば一応の理解は得られるはずであるが, その問題からエッセンス(基礎)を抽出し未知の問題への運用可能性を押し広げられるほどの深い理解に到達することも難しいと思われる.
進度目安(例): 高3になるまでには, 数ⅠA青チャート→数ⅡB青チャート→1対1ⅠA & 数ⅢC青チャート→1対1ⅡB & 数ⅢC青チャート→数ⅢC1対1の順で全範囲完成させておく. ⅠAⅡB完成次第スタ演のⅠAⅡB範囲を開始, ⅢC完成次第スタ演のⅢC範囲を開始.
例えば数Ⅰから数Ⅲまでの内容をまとめて一気に進めるような勉強はおすすめできない. 次の復習のときに何も覚えていなければまたゼロからやりなおしである. これはとても効率が悪い. 前にやった内容の半分くらい忘れたタイミングで復習が入るような計画にする. 数学ならだいたい1ヶ月以内.
入試数学の掌握シリーズ(市販参考書)も王道であるが, ほんのごく一部のテーマしか扱っていないし問題数も少ない. ④⑤の段階では演習量が最も大事であるのでこの教材(より一般には横割り系の参考書)の優先度はかなり低い. 演習量が足りていないうちにこれに手を出すのはよくない. 難しい・挫折しやすいという意味ではない. 既に演習量をじゅうぶん確保できていてかつ他科目にも余裕があるのなら手を出す価値はあるかもしれないが, 演習量不足が敗因になることはあっても「掌握をやらないこと」が敗因になることはないので手を出す前によく検討してほしい. 取り組むこと自体は全く否定しないが, こういう横割り系ばかりをやって満足して普通の勉強を疎かにし失敗していく人がよくいるので注意が必要.
④⑤(実践演習)で使う問題集の解説の詳しさを重視する人がいるがそこはほとんど重要ではない. 無駄に詳しい解説が無いと挫折するようなレベルであれば④⑤はまだ早い.
論理に特化した講座や参考書は不要. 上で紹介した教材をきちんと理解して取り組めば入試問題を解くのに必要最低限の論理は自然と身につくようになっている. 論理そのものが不要ということではなく, 論理に特化した講座や参考書に多くの時間を費やす必要も論理に関する抽象論を体系的に学ぶ必要も無いという意味.




英語
- (単語熟語・文法語法)→(英文解釈・英作文)→(長文・英作文) の順序を守ること.
- 語彙/文法/英文解釈すなわち基礎固めが最大の山場となる. ここが最も重要. 英語は暗記科目であることを忘れてはいけない. 基礎基本事項を無意識に瞬間的に処理できるからこそ長文も速く正確に読めるようになる.
- 東工大の英語は和訳/英訳/内容読解からなる. 和訳問題で重要となるのは語彙/文法/英文解釈, 英訳問題(英作文)で重要となるのは語彙/文法/英作例文暗記, 内容読解で重要となるのは精読に関わる全ての勉強(語彙/文法/英文解釈/長文の精読多読)である.
- 英語の勉強は机がなくてもできる. 外に出て勉強してもいい.
単語
① ターゲット1900
② 鉄壁
これから高校英語の勉強を始めようという人がいたら, まず真っ先に取り掛かるべきは単語である. 短期間で何度も反復して長期記憶に落とし込む. ①は数ヶ月で全部完璧にする. かける期間・触れるタイミング・触れる回数・習慣化が重要である.*7
耳栓を付けてから*8, 覚えたい300単語*91セットを大きな声で中身をイメージしながら*102~3回正しく発音して覚える ×2~3周*11*12
(これを毎日就寝前1回+都合のいい時間帯(起床後も良いと言われている. )もしくはルーチン化しやすい時間帯にやる.「下校途中の公園に着いたら音読」「トイレに入る前に必ず音読」「家に帰ったらすぐ音読」「音読してから夜ごはん」と決めておいてもいい)
⇒2週間くらい継続(単語専用のカレンダーをつくって毎日チェックを入れる)⇒
⇒最後は答を隠して見た瞬間に単語の意味が思い浮かぶかチェックし, 完璧であれば次の新しい300単語で同じことをやる
⇒・・・
これを単語帳が終わるまで続ける.
目と耳と口をフルに使って短期間に何度も反復し長期記憶に落とすのが脳科学(心理学)的に効果の高い記憶法と言われている. 書いて覚えようとしない. ペースが極端に落ちる. 見た瞬間に意味が思い浮かばなければ覚えたとは言わないので注意. 全部覚え終わったら頭から一気に全部確認して, 瞬間的に意味が思い浮かばないものだけピックアップし, それだけを同じ方法で回す. 電車の中など声が出せない環境ではインプットはせずアウトプット型の復習(赤シートで隠してテストする)に注力する. アプリや電子辞書を使っても良い.
まずはターゲットで主要な意味や主要な関連熟語を覚えきること. 次に鉄壁で派生語・関連熟語・第2第3の訳語+ターゲットで漏らした単語を補充する.
風呂で覚える英単語, 風呂で覚える英熟語は湯船に浸かりながら語彙追加したい人向け. 嫌でも習慣化できる. ただしこれらはあくまで補助的なものである.
高1でターゲット, 高2から鉄壁. 既に知っている(瞬間的に意味が思い浮かぶ)単語は除いて必要な単語だけ反復する. 時間がない人は鉄壁だけでいい.
鉄壁は東大専用単語帳と思われがちだが全然そうではない. まえがきにもある通り, 「主要大学」が分析対象であり, 共通テスト以上のレベルの語彙が収録されている. ターゲット1900の方は共通テスト+全国の大学が分析対象となっている.
正しい発音で覚えるのは1次試験のリスニング対策のためだけでなく, 定着しやすくするためでもある. 同じ情報に何度も触れれば脳が重要であると判断するが, 毎回違った発音で覚えていたり発音を曖昧にして覚えていたりすると, 脳内では違った情報として処理されてしまうので反復の効果が薄れる. また, 電子辞書に単語を入力するなどして1つ1つ調べるのはそれだけでも手間と時間がかかり非効率である. 単語学習をスムーズに進めるためには発音記号
https://eigonotomo.com/4skills/hatsuon
【全てに音声付き】英語の発音を良くしたいなら「発音記号」を覚えよう (atsueigo.com)
発音のしかた|ウェブ音声サービス | 初級クラウン英和辞典 第13版|三省堂
をまずは覚えるべき. 学習スピードを上げるため, 付属のCD(音声)は原則聞かなくていい. 発音記号の読み方に不安があったりする場合に限りその箇所だけ聞いておけばいい.
速単系(長文型単語帳)は単語帳として利用すべきではない. 単語帳としてはマイナーであるうえ, 回すスピードが極端に落ちる. 覚える対象も不明瞭になるので記憶の定着度も落ちる.「文章型の方が覚えやすく自分に合っている」「単語は長文の中で覚えた方がいい」は大抵の場合思い込みである. 実質長文の勉強になるので単語と長文を同時に勉強できて一石二鳥と考える人がいるかもしれないが, 一兎を追うもの二兎を得ずになることがほとんどである. 3ヶ月で1900単語くらいが全部完璧にならないのであればその暗記法は明らかに間違っているといえる.
ついでになるが
・速読英単語をいくら完璧に速読できるように練習しても速読力は身に付かないこと(より一般に, 速読の練習をしても速読力は身に付かない*13こと)
・速読力という独立した能力が存在してそれを鍛えれば速読できるようになるというものではないこと
を強調しておく. 表紙にある速読というワードはおそらく営利目的であろう. そう書いておけば多くの情弱受験生が手に取ってくれるのだから.
熟語
ネクステ(Vintageでも可)のイディオムのセクションを単語帳と同じように覚えればいい. 英熟語ターゲット1000(速読英熟語でも可)をやってもいい.
文法語法とターゲット1900レベルの単語帳が終わってから取り組めばいい.
熟語は和訳英訳問題で問われることもある. 長文を速く正確に読めるようになるという目的も踏まえれば熟語は単語と同じくらい重要である.
英文法・語法
「文法は出題されないからやらなくていい」と言う人がいるが和文英訳や英文和訳で問われているし長文を速く正確に理解するには文法の知識理解が重要であるし文法の理解度は英文解釈の理解度にも影響することを強調しておく. 文法問題形式で直接出題されないことはやらなくていい理由にならない. 単語についても同じこと(単語の一問一答問題が出題されないので単語の勉強は不要)が言えてしまう.
総合英語Evergreenを読み進めながらネクステ(Vintageでも可)を進めていく. 翌日と1週間後にネクステ(Vintage)の復習を入れると良い. 全範囲終わったら必要に応じて追加で何周かして確認する. ネクステ(Vintage)1冊に絞って短期集中(3ヶ月程度)で完璧にしよう.
総合英語Evergreenは文法の仕組みを体系的に理解しておくためのもの. ただし学校などでひととおりの文法が既習であり, Vintageには解ける問題も多くあり, 解けない問題であってもVintageの解説だけでまともに勉強できるくらいの学力があるのなら, Evergreen通読というよりは気になったところだけ部分的に参照するような使い方でもいい.
ネクステ(Vintage)は, はじめのうちはすぐ答えを見てもいい. 和訳→問題の英文→解説の順にテンポよく進めていく. 穴埋め問題を解くための練習をしている・穴埋め問題の解法テクニックを勉強しているという意識は捨てる. 具体的かつ代表的な重要英文を通して文法語法の論理/規則を確認することを目的とすべき. その為, 「文法問題が試験で出ないから文法問題集はやらなくていい」という考えはナンセンス. 問題形式になっているのはアウトプットしやすくする為と捉える.
特にはじめのうちは覚えようという意識よりも文法の基本な考え方を理解しようという意識を持っておき, 最終的に「何周かしたら自然と覚えていた」「何も考えずに即答できるが単に丸暗記しているわけではなく, その選択肢が正しいといえる根拠を聞かれたら説明できる(正しくない選択肢がなぜ正しくないのかまでは考えなくていい)」という状態になっていればOK. 最後の1周2周あたりで答えを隠してアウトプット型の復習をしてみるといい. 目標は「どの問題も瞬殺できるようになるまで」.
高1の間に文法語法を完成させる.
文法用語の暗記や抽象論の暗記は不要. 具体的な英文の文法的な解説を1度理解しておくことが重要.
英文解釈
英文読解の透視図はやっておきたい*14*15. 透視図の前に英語の構文150(新英語の構文150)*16か入門英文解釈の技術70か基礎英文解釈の技術100かポレポレをやっておくと良い. 時間はあるけど計1冊に絞るという場合は英文解釈教室か英文標準問題精講かビジュアル英文解釈を使うのが良い. どの教材についても1周目は本文熟読に集中する. 自力で問題を解く必要はない. ポイントやSVOCMを簡単に書き込んで復習しやすくしておくと良い. 構造把握に支障が出ないよう, 知らない単語の意味や品詞(のうち教材に載っていないもの)は調べる. 2周目3周目(4周目)は例文だけを回す. 復習のタイミングは通説どおり, その日翌日1週間後1ヶ月後くらいが丁度いい. 文構造とそれに基づいた和訳が大事. なぜその訳になるのかを文構造に基づいて理解していく. 文構造と和訳を確認してから音読する. 少しでも曖昧な部分があれば本文を読み直す. 頭から1度読んですぐに無意識レベルで文構造がとれ, それを言語化(他人に説明)でき, 日本語を介さずに無意識レベルで英文の意味が理解でき, 和訳を求められれば直ちに和訳できるという状態になればOK.
語彙と文法, 語彙と英文解釈は並行しても良いが文法と英文解釈は並行してはいけない. 文法を完成させてから英文解釈に行くべき. 英文解釈の勉強を進めていく過程でもし万が一文法事項の抜け漏れに気づいたらその範囲だけ文法に戻って確認しておく.
1冊か2冊に絞って回す.
高3春までには完成させる.
文法規則, 構造規則の抽象論を単独で公式のように覚えても意味がない. そのような抽象論を具体的な英文と対応付けて頭・体に馴染ませる.
英作文(和文英訳)
英作文の勉強では汎用性の高い重要例文・頻出問題を網羅的に(300~500くらい)暗唱することが重要. ドラゴンイングリッシュ基本英文100で最重要表現100個丸暗記. これだけでは網羅性が弱いので 例解和文英訳教本(文法矯正編)と例解和文英訳教本(公式運用編)を追加して英作文において重要な文法/語法/語彙/表現/頻出問題を丸暗記. まず先にドラゴンイングリッシュを覚えきる. 暗記するときは大きな声で音読する. 最終的に日本語を見るだけでもとの英文を瞬時に言えるor白紙に書き出せるようになっていれば良い.
文法を完成させてから英作文に行くべき. 英作文の勉強は文法語法熟語の補強(より高度な文法語法熟語運用力を身につけるため/高1で完成させた文法語法熟語のうち英作で特に重要な内容を高3で復習するため)としてやる.
まずは和文1つにつき代表的な模範例文1つを紐付けて覚えておけばいいが, テストで丸々同一の例文を書かされることはほぼ無いだろう. 応用的観点では, 例文を基本要素(基本フレーズ)に分割し他の表現と組み合わせる必要がある. どの部分が基本要素(基本フレーズ)であるのかも意識しながら暗記するといい.
本文を読むに越したことはないが, 基本的には例文丸暗記するだけでOK. (ドラゴンイングリッシュくらいなら読んでもいいかもしれない)
復習のタイミングはその日次の日1週間後1ヶ月後くらいでとりあえずはOKだが目的は暗証であることを忘れてはいけない.
長文
1文1文正確に読む力(訳せる力)がなければ長文問題は解けないが, 上で述べた勉強がきちんとできていれば正確に読む力は既についているはずである. 正確に読めることは前提としてさらにレベルアップを目指す(英語の語順で速く正確に読めることを目指す)のが次の段階, すなわち長文の勉強である. 全文精読, 多読が勉強の中心. 1文1文の精読は毎度欠かさずやることと, とにかく多くの文章を読んで慣れることで速く正確に読む力がついていく*17. 普段の勉強では読むスピードは特にはじめのうちはゆっくりでもいい. 速く読む練習は無意味である. 速度を上げても正確性が落ちないように徐々になっていくもの.
分量は合計3シリーズ(10冊くらい)確保し毎日読もう. 日を開けての復習は全くいらない.
まずはグループAのものを使う. まずは和訳の全文を通読し内容を把握する. 次に"和訳を確認→文構造を確認しながら英文を読む" の順で1文ごとに精読の訓練を積む. このとき, 英文を左から右に, 書かれている通りの語順で(つまり返り読みはしないで), 意味の塊ごとに区切って読む(慣れてきたらより広い塊で捉える). 前から順に精読する訓練を多く積んで慣れることで徐々に英語を英語のまま処理できるようになっていく. 段落ごとに内容を頭の中で整理しながら読み進める. 設問は解かなくていい. 知らなかった単語はその場で覚えようと意識する.
ある程度量をやったらグループBに行って良い. この段階では内容読解の練習としてまず制限時間内で一気に英文を読んでみる(慣れないうちは予め和訳の全文を通読し内容を把握しておくのも悪くはない. ). 全部100%の精度で読むのではなく(70%くらいでいい), 文と文の繋がりや論理構造も意識しながら重要なところとそうでないところの間の強弱をつけて読む. 要点の理解を目指せばいい. 読みながら, 段落ごとに内容を一言でまとめたうえでそれらの関係性を図式化し, 全体のストーリーの要約もしてみる. 文章全体をざっくり読み終わり設問にも軽く答えた後は1文1文精読を必ず行う. 知らなかった単語はその場で覚えようと意識する. 本文が読めているかどうかのチェックとして問題を自力で解いた後に設問の解答解説を軽く確認するのはいいが, そこに多くの時間をかけるのは無意味である. 設問解説を読んで問題の解き方の勉強をするのはほとんど意味がない.
グループCは隙間時間用や補充用として適している. リーディング対策としては最後は多読が有効であるのでまず一通り読むことだけをおすすめするが, 共テリスニング対策も考慮するのであれば(過去問は当然教材として最適であるが)速読英熟語と速単必修編のシャドーイングも有効であると思う.
グループA
【文構造解説が丁寧で効率よく精読できるもの(王道)】
・英語長文ハイパートレーニング 標準編/難関編
・英語長文レベル別問題集 3/4/5/6
・英語長文ポラリス 1/2/3
グループB
【必読】
・やっておきたい英語長文 300/500/700/1000
グループC
【隙間時間用・補充用】
・速読英単語 必修編/上級編
・速読英熟語
・基礎英語長文問題精講
・リンガメタリカ
- いろんな話題(それに伴っていろんな単語, 文法, 英文解釈)に触れることも大事なので長文集を何周もする必要は無い.
- 確実に量を確保でき, 他科目の勉強時間を圧迫しないのであれば精読後に音読をしてもいい. ただし, いくら音読をしても読んだ量(1つの文章を読んだ回数ではなく, いくつの文章を読んだか)が少なければ意味がない. 余裕があるのなら音読するのではなくてもう1つ長文を追加して読むことをまずはすすめる.
- 基礎力があればいきなり難関大レベルの長文に取り組むこともできるはずだが, 難関大レベルの長文しかやらないというのはおすすめしない. やさしい文章から難しい文章までバランスよく沢山読むことがポイント.
- 毎回の勉強で全訳*19をすすめたが模試や本番で全訳しながら読めと言っているわけではない. わざわざ全訳しなくても英語を英語のままスラスラ読めるようになるための勉強が全訳である.
長文を速く正確に読む力は, 内容に関連する前提知識や読解経験に加え, 見た瞬間に反応できる語彙文法英文解釈の基礎知識の量でほぼ決まる.
まず語彙・文法・英文解釈が完成してから長文に手を出すべき.
これらの頑丈な基礎力がなければ長文対策は意味をなさない. 無意識レベルで定着している語彙文法英文解釈の割合を8割から10割に上げるのが長文であり, 現時点で6割の人は今後いくら長文やってもほぼ6割のままである.
読んだ長文の有効数=基礎固め前に読んだ長文の数×0.05+基礎固め後に読んだ長文の数.
基礎を疎かにした状態で長文をやる*20のは, 穴の開いたバケツに水を流し込むようなものである. 「長文を読んでいれば語彙文法英文解釈がそのうち勝手に身につく」は間違い*21 長文を読むことによって, 既に身についていること(0.1秒で思い出せること)がより確実になものになり, より速く(0.01秒以下で)反応できるようになるだけである. そのためには予め強固な記憶の核をつくっておかなければならない. 「長文の勉強に力を入れれば長文で点が取れるようになる」は必ずしも正しくない. 実際, 長文しかやっていない人が基礎固めしかやっていない人に模試の点数で負けるケースはこれまで多くある. 長文(1シリーズくらい)やってもまともな成績にならない人はだいたい基礎が弱い. 最後に, 語彙・文法・英文解釈の基礎固めが長文読解にどう生きるのかまとめておく;
- 語彙
当たり前だが長文の最小単位は単語であるので1つ1つの単語の意味が速く正確に思い浮かばなければ長文を速く正確に理解することは不可能. 特に単語帳の段階で想起スピード0.1秒程度まで落とし込んでおかないと長文多読訓練によって0.01秒以下に落とし込むのは困難.「時間がかかっても思い出せればいい」は甘い. 読むスピードが落ちるのもそうだが, 単語の意味を思い出すのに頭を使ってしまうような状態では内容読解に集中できない.
- 文法と英文解釈
設問に答えらえるようになるには長文を正確に読む必要がある. そのためには, 1文1文を正確に訳す力があればよい. *22. 知っている単語をデタラメに組み合わせても正しい訳はつくれない*23ので文法と英文解釈が必須である. 本番では誰もが「7割くらいの力で何となく」読むことになるわけだが, 文法の基礎を固めた人とそうでない人との間には読解精度に雲泥の差が出る. また単語と同様, 「時間がかかっても思い出せればいい」は甘い.




物理
勉強において一般に「量も質も両方大事だ」と言われる. それは間違いなく正しいが, この科目に限っては量よりも質が重要である. 量で誤魔化そうとしても無駄ということである. 質が何を意味するかについては以下で説明する.
①
教科書 か 理解しやすい物理基礎+物理
難関大物理の攻略において最も重要なことの1つに基礎基本の確実な理解がある. 我流に落とし込むのではなく, 教科書の内容を深く正確に理解することが重要. (しかし初学の段階ではどうしても理解に詰まることが多いだろう. そのような場合とりあえず寝かせておいて先に進んでもいい. 問題演習を通して理解のヒントが得られることもある, と言うよりは問題に取り組まないと教科書の内容が理解できないようになっている. 問題を解きながら教科書に戻って理解を深めていければいい. 物理の勉強はそのようなものだと割り切ってやっていくものである. 特に教科書初学の際は, 教科書の本文と教科書傍用問題集の一番レベルの低い問題の解答解説を読み比べながら具体⇔抽象の行き来をしてみると理解が深まる. ). 特に, 公式の導出(成り立ち)・意味・適用条件を何も見ずに人に説明できるくらいにまでよく理解すること (より詳しい内容は新物理入門に載っており最終的にはその水準で基礎を深く理解しておいたほうがよいが, 完全初学の段階でひととおり通読するようなことはおすすめしない. ) と公式や重要用語の定義を確実に暗記することをセットで達成することに意味がある.
学校の授業が使い物になるのならそれでやっていけばいいが市販のもので適当な講義系参考書はほとんど無いに等しいので安易に手を出さないほうがいい.
②の問題集と同時並行で読み進めていく.
②
セミナー か リードα か 物理のエッセンス
教科書と並行しながら3周. なぜその公式を使ったのかについて教科書の内容に基づいて説明できるようにしておくことに加え, 式にイメージを持つことが大事. 具体的な演習問題を通して, ①の段階ではほぼ丸暗記になっていた公式にも「心」があることを感じ取ってほしい.
エッセンスの本文解説はただの要点集なので教科書のかわりにはしないこと. これで物理を理解するのは無理なので問題集として使うべき. エッセンス名問の解答解説でわからないとろがあったときにその部分だけ読んで参考にすればいい(多くの場合, 真っ先に参照すべきは教科書や新物理入門であるが).
セミナー/リードαを選んだ人は③の名問でストップした方がいい(難系までやるのは分量的な意味でオーバーワークとなり勉強の質が悪化しやすい).
エッセンスを選んだ人は時間に余裕ができたら④の難系まで取り組んでもいい. 或いは名問の前に良問を挟んでも悪くないが必須とまでは言えない.
エッセンスには物理基礎と物理が両方収録されている. 物理基礎と物理が別々で進む学校(2冊に別れているものを配られた場合)であれば高2から理解しやすい物理基礎+物理とエッセンスを使っていけばいい.
③~
ハイレベル物理(苑田尚之/東進)
テキストやノートを何周も復習した後に難問題の系統とその解き方(例題を完璧にできればいい) を何周もやって物理の勉強を終わらせる人が多い.
②ではセミナーかリードαを選ぶのが無難.
ハイレベル物理は重たい講座と言われているので高2からの受講が理想.
(以下は苑田のハイレベル物理を受講しない人向け)
(③)
名問の森
最低4周. この問題集の完成度(定着度のみならず, 目の前の問題を通してどれだけ基礎基本法則の理解を深められたか)が特に重要. 完成度100%(どの問題も当たり前のように解け他人に説明できるレベル)になっていなければならない. 問題文も暗記するくらいの気持ちで取り組む.
(④)
難問題の系統とその解き方
原子以外の例題だけを3~4周くらい. いろんな問題集に手を出してどれも中途半端とならないようにするため, これに取り組む前に名問が本当に完璧になっているのか念入りに確認しておく. 他の科目が忙しく時間がとれない場合は難系は省いても良い.
基礎基本の理解をさらに深める必要性を感じたタイミング(目安としては名問や難系に取り組んでいる段階)で新物理入門を読むといい.
問題演習について
・解法暗記, パターン暗記は効果的である. ②の問題集のどの問題の類題であるのかも意識しておく. 一方で単に解法を覚えようとする「だけ」ではなくて物理の基礎基本がどこにあるのか(どんな基本法則を応用した問題なのか), 物理的根拠は何なのか(なぜその法則が使えるのか, 適用条件は何であるのか)を人に説明できるくらいまで理解しておく.「なんとなくの雰囲気で」は排除する. 常に教科書的な基礎基本に立ち返って物理そのものの理解を深めていく. 少しでも曖昧に感じたところは教科書や新物理入門で確認するなどしてとにかく根本からの理解を重視する. *24
・数式での理解のみならず現象理解も重視する. 定性的理解と定量的理解の両方が重要. (特に後者についてはどんな問題にも微積分を使って複雑に解きたがる人, 問題を解くだけなのにわざわざ公式の導出から始める人がいるがそれは物理の理解が浅い証拠. 微積分は遠慮なく答案で使えばいいのだが微積分を使うことだけに拘っても得点力に結びつかない. )
・図(絵)を描く習慣をつける.
・1~2周目までは解答解説はすぐに見ていい. 2~3周目からは解いて復習する(アウトプットしてみて解けた問題は4周目は飛ばしていい). 計算せずに「目で見て復習」を取り入れてもいい. 問題集はどの問題も瞬殺できるまで繰り返しやりこんで暗記するのが鉄則.
・2周目以降では計算過程は大して気にしなくていい. (ただし計算手法自体が重要となる問題は例外)
・前にやった内容の半分くらい忘れたタイミングで復習が入るような計画にする . 1週間後に復習(2回目), 2週間後に再復習(3回目)くらいが目安.
名門や難系例題を上回るような難易度の問題集をやってもほとんど意味がない.

化学
①
大学受験Doシリーズ鎌田の理論化学
大学受験Doシリーズ福間の無機化学
大学受験Doシリーズ鎌田の有機化学
暗記と理解の両方が重要だが, 暗記すべきところと理解に集中すべきところを区別して勉強にメリハリをつけたほうがいい. 単に暗記すべき内容であっても(高校化学のレベルで)原理的なところから理解できるものについては原理とセットで覚えるようにする. 異なる分野の内容であっても(高校範囲内で)同じ理屈に基づいて説明できる場合がたまにあるので新規の内容を理解する際は常にアンテナを張っておく. 参考書本文はとりあえず1度読めばよく本1冊丸ごと全てを暗記する必要は全く無いが, 問題演習の段階では必要に応じて基本を確認し直したり追加で覚えるべきところは覚えたりしなければならない.
・暗記指定されている内容(付録冊子含む)については単語帳のように毎日触れて, きちんと覚える. まとめノートに記入して常に携帯し, 毎日眺めるのがおすすめ. 以下(②~)問題演習の段階で発生した新たな暗記事項(問題を解くために必要な知識)についてもその都度書き加え補充していけばいい. ある程度覚えてきたら白紙復元(アウトプット)してみる.
・特に無機有機はDoシリーズ暗記指定箇所覚えてから問題集をやる.
②と並行しながら読み進める (②を省くなら③と並行). 問題集は前にやった内容の半分くらい忘れたタイミングで復習が入るような計画にする. 復習のタイミングは通説通り「その日翌日1週間後1ヶ月後」でもOK.
化学基礎と化学が両方とも収録されている.
どうしてもわかりにくい内容があればその部分だけ他の参考書を摘まみ読みしてもいいかもしれない. 宇宙一わかりやすい高校化学*25, 教科書*26, 化学の新研究*27, 原点からの理論化学*28, 原点からの化学の計算*29 あたりを辞書的に使うといい.
大学レベルの内容に踏み込みすぎた参考書はNG. Doシリーズに載っている範囲内で深く理解することが重要.
演習問題が難しいからといって飛ばすのはNG. 演習問題は本文の一部. 自力で解く必要はもちろん無いが解答解説を追って理解しないとひととおりのことを勉強したことにならない.
(②)
セミナー化学 3~4周. 1周目は講義本と並行しながらやっていく.
・時間がない場合, セミナー配布されなかった場合, 化学基礎と化学が別々で進む学校(セミナー分冊版を配る学校)にいる場合, 化学を得点源にしたい場合, 学校の受験指導がそこそこ丁寧である場合は②を省いてもいいが, ①の段階で少し危ない感じがした(いきなり③には行けそうにない)人は②からはじめた方がいい.
・問題量が多く1周に時間がかかりすぎると定着や効率に悪いので基本発展を先に固める→総合問題を固めるの順で各分野ごとに進めていく.
③
重要問題集 3~4周
④
化学の新演習 3~4周
問題演習③④について
・はじめのうちは問題の解答解説はすぐに見ていい. 自分の頭でゼロから考える意味はない. 2~4周目くらいにアウトプット型復習を入れてみるといい. アウトプットしてみて解けた問題は4周目は飛ばしていい.
・特に理論化学の計算では物理と同様, わからないことがあってもなんとなくの雰囲気で誤魔化さず基礎基本に戻って理解しておく.
・セミナー重問新演習のうち2冊完璧にしておけば困ることはほとんど無いだろう. ②を省いた人は③④両方極める必要がある.
・小学校レベルの算数であっても過程を省略せず, 自分の手で計算を確かめることを怠らない方が良い. 超初歩的計算力をさらに強化するのもやるべき勉強のうちに入る. 3~4回の復習のうち最低でも1度は自分で手を動かす.
・問題集は暗記するくらいまでやりこむ. 「次にまた同じ問題に出会ったら確実に瞬殺できる」ことを重視する. ただし1つ1つ問題ごとに覚えるだけでなく, 結局同じようなことをやっているんだなという感覚(統一的視点)を, 類題を通して養っていくのも重要.
・問題解法のポイントはノートにまとめておくといい.
・新演習を上回るような難易度の問題集をやってもほとんど意味がない.

英語リスニング (1-2ヶ月前から)
リスニングの勉強の基本は問題を解くことではなくシャドーイングである. 過去問等を何年分シャドーイングしたのか, つまり量も重要.
- ただの音真似は無意味. 英文の中身を理解・イメージしながらシャドーイングすることに意味がある. 音を正確に把握できない状態でのシャドーイングもNG.
- ざっくり スクリプト精読→精聴→(音読)→シャドーイング の順で取り組む. 例: まずはスクリプトを精読する→1文1文音声止めながら, スクリプト見ながら聞く→スクリプト見ながら全文聞く(まずは音の聞き取り精度を落とさずに聞く. 意味内容の理解も伴うようになってきたらOK. )→スクリプトを見ずに全文聞く(まずは音の聞き取り精度を落とさずに聞く. 意味内容の理解も伴うようになってきたらOK. )→スクリプト見ながら1文1文シャドーイング→スクリプトを音読→スクリプト見ながら全文シャドーイング→最終的に何も見ずに状況をイメージしながら頭の中でお絵描きする感覚でシャドーイングできればOK.
- 過去問(追試, 試行調査含む)→センター過去問*30/駿台Z会*31の予想問題集の順に, 進められるだけ進む.
- 過去問2~3年分くらいを実戦形式での演習用にとっておき, それ以外は勉強用(参考書的)に使う. 実戦形式で取り組むときは, メリハリをつけて聞き取れるよう, 問題文の先読みの作戦立て&トレーニングをしておくといい.
- リスニングはコスパが良い. 前提となる基礎は既に身についているはずなので普段リスニングをやっていない人であってもいきなり過去問からスタートできる. リスニング力を鍛えることによって相乗効果でリーディング力も上がっていく. リスニング力は大学以降も要求される (研究関係者に外人が1人はいたりするもの. 英語でディスカッションしなければならない. 大学院の講義は基本英語であるし, All Englishの講演会に出て勉強しなければならないこともある. 英語で研究発表, 英語で質疑応答が求められることもある. 博士号をとった後はMITやCaltechなど海外の大学院で研究員をやる人もいる. 院試では専門科目の他, TOEICの点も考慮される. 大学の卒業要件にはTOEIC○○点以上のような基準がある. ) ので共テ対策の期間だけでもしっかりやっておいた方がいい.

社会科 (1-2ヶ月前から)
以下で紹介する科目の中には現在では使えない科目がある(募集要項などの公式情報を各自で確認)が, かつて王道であった教材がどんなものであったのか知っておくのも悪くはないので紹介する.
倫政: 良くも悪くもない.
現代社会: 勉強の負担は最も軽く, 8割には乗りやすいと言われている. 東工大志望向き.地理: 良くも悪くもない.
日本史: 負担大. とりあえずやめておけ.
世界史: 負担大. とりあえずやめておけ.
これらがおおまかな評価であるが, 最後は以下の王道参考書と過去問を眺めて見て決めるのがいい.
王道の講義本を2周くらい読む→講義本に頻繁に戻ってチェックor書き込みしながら過去問(追試, 試行調査, センター試験含む)を何年分も遡って勉強していく(数日後にスピーディーに復習)が基本方針. 追試含む最新の過去問については赤本, センター含む古い過去問については黒本, それより昔は東進過去問データベースが役に立つ.
倫政
王道は黄色本. 概念の理解で詰まった場合はここみらいチャンネル(YouTube), 教科書, 蔭山の共通テストシリーズを辞書的に使うと良いらしい.
地理
地図帳に重要情報を書き込みながら黄色本を2周くらい通読後, 過去問(追試, 試行調査, センター試験含む)を参考書だと思って何年分もやる. 問題を解くために最低限重要なことはまとめておく. 地図帳に書き込み, 定期的に見る. 当然ながら解答だけでなく解答の根拠を重視する. 以下のサイトは過去問演習で役立つ. 過去問は分野別に収録された瀬川の超重要問題の解き方を使ってもいい. (最新の過去問については掲載ないので赤本購入の必要あり)
https://ts9ts9ts.cloud-line.com/page21489/
現代社会
王道は現代社会集中講義.
漢文 (1-2ヶ月前から)
- 最速最短かつ王道
漢文早覚え速答法→過去問(追試, 試行調査, センター試験含む)を何年分も精読
- 返り点を知らないレベルの完全初学者でもOK, 学校漢文風(オーソドックス)
漢文ヤマのヤマ→過去問(追試, 試行調査, センター試験含む)を何年分も精読
早覚え即答法著者の過去問掲載サイト*32 kanbunhoi.web.fc2.com
本屋に行って現物を見てどちらを選ぶか判断した方が良い.
講義本は通読のうえで重要事項は暗記する
過去問入手は東進過去問データベースを活用
国語の最優先分野. 対策コスパは良い.

古文 (1-2ヶ月前から)
古文単語
読んで見て覚える重要古文単語315
1日1周を2週間くらい継続する.
古典文法(講義本)
以下どれか1冊
- 吉野式古典文法スーパー暗記帖
最低限の内容に絞られている. かなり薄いので時間の無い人がさっと基礎固めするには丁度良い.
- 望月光の古文教室 古典文法編
古文完全初心者にもわかるようにゼロから丁寧に解説されている. 「係り結びとは何か」「品詞とは何か」「活用とは何か」このあたりから怪しいレベルの人には丁度良い. 冗長ではあるが分厚い参考書ではない.
- 富井の古典文法をはじめから丁寧に
王道で網羅性が高いが上の2冊と比べて若干重たい. 上の2冊どちらか一方でさっと基礎固めして下の薄い問題集を高速で回すことを推奨する.
文法がわかっていて最低限の基本事項の暗記も大丈夫という人は講義本は省いて以下の問題集から始めてもいい.
古典文法(問題集)
ステップアップノート30古典文法基礎ドリル
読解に直結する文法問題集. 2~3周やる. かなり薄いので大して時間はかからない. 問題は自力で解かずにいきなり解答解説から入る.
古文読解
過去問(追試, 試行調査, センター試験含む)を参考書だと思って何年分もやる. 基礎を入れたらあとは精読した量が重要になる. 最低でも15年分相当の分量読まないと, まとまった点を安定的にとれるようにはならない. 品詞分解された過去問解説(例えば 共通テスト対策編集部『国語過去問題 古典』尚文社, 啓隆社編集部『段階演習 共通テスト・センター試験 過去問題集』啓隆社)を入手して現代語訳と比較しながら, 品詞分解して文法と単語を1つ1つ確かめながら丁寧に精読する. (最低限どのくらい細かく精読するべきかについては古文上達基礎編が手本になる. ) 訳と品詞分解さえあればなんでもいい. どうしても入手できない場合は学校や予備校の古文の先生に相談すればなんとかなるかもしれないが, 仮に何も入手できなくても現代語訳と照らしあわせながら, 曖昧な品詞/文法は1つ1つ調べながらの精読は必須. 収録年数は少ないが大学入試 全レベル問題集 古文 2 共通テストレベル, 古文レベル別問題集標準編も精読に使える.
マドンナ古文常識 で調べながらやる. 古い過去問は黒本か東進過去問データベースから入手できる.
現代文で高得点確実ラインかつ共テ直前期あまり時間的余裕がない場合, 古文の勉強はいらないかもしれない.

情報
全体的なQ&A
Q. ~高1でどこまでできているべきか
A.
・教科書等で予習後, 青チャートIAⅡBの例題と練習問題
・1対1対応の演習IA
・ターゲット1900
・総合英語EvergreenとNexstage(Vintageでも可)の文法語法
Q. ~高1高2のうちに英数はどこまでできているべきか
A.
・青チャート例題練習問題/1対1対応の演習の全範囲を完成
・語彙/文法/英文解釈の完成
Q. 高2で理科はどこまでやればいいのか
A. 化学なら問題集1冊目全範囲, 物理なら物理のエッセンス或いはセミナー物理全範囲を完成させる.
Q. 勉強の計画の立て方は?
A. はじめての教材に手をつける際には, まずは数日かけて一気にガっと進めてみる. まずは実際に取り組んでみて限界を知っておき, その後に計画を立てることをおすすめする. その際, 年単位, 月単位, 教材単位, 1日単位でそれぞれ計画し, 期限は数字で明確化しておく. 達成度が不明確になるような目標は立てない. 1日単位の計画では「何を勉強するか」だけでなく「何時から始め何時を期限にするか」「どこで勉強するか」も明確化しておき手帳に書き込んでおく. 時間はタイマーで管理する. (50分勉強10分散歩休憩のサイクルであれば区切りの時間にタイマーが鳴るようにセットしておく. )
Q. いったん勉強し出したら集中できるが, なかなか勉強が始められなかったり継続できなかったりする.
A. まずは勉強場所や勉強開始時刻を毎日固定する. くわえて, 勉強開始時刻10分前に毎日同じコンビニでコーヒーを買って飲むことも習慣化する. 勉強より簡単に習慣化できることをまずは習慣化してみる.
Q. 科目間の勉強バランスはどうすればよいか
A. インプット系問題集(Vintage/透視図/青チャート/1対1/化重/新演習/名問/難系)なら科目数は2科目くらいに絞って毎日やる, 絞る科目は教材ごとの進捗に応じて変更するのがいいと思います. 例えば数Ⅲ1対1と重問理論化学3~4周終わるまではそれだけに集中, 片方終わり次第名問力学1周目開始というかんじです. 分野の境目(数Ⅲ1対1→数C1対1、理論化学→無機化学など)や教材の切り替わり(エッセンス→名問など)で内容が大きく変わる場合は1ヶ月以上の期間開けても問題ないと思います.
量重視の教材(英語長文スタ演新数演)はそれらに着手する資格を得たその日から毎日コツコツ進めていくのがいいと思います.
Q. 受験で大事なことは
A.
勉強の質・量がともに最高レベルであるか, 目的を明確化したうえで正しい努力をどれだけの量積んだかがまず大事です. 量をやるための前提として, 1日中勉強することが歯磨きと同じレベルで習慣化されていなければなりません. これまで大して勉強してこなかった人にとっては習慣化に落とし込むまでが勝負です. 習慣化のための工夫も大事ですが, 受験では忍耐力, 精神力, 気合いも消して軽視できないものです. ラクして良い結果が出ることを期待してはいけません. とはいえ無駄は排除し効率的にやっていくべきです. 勉強法, 使う教材, どこの塾に通ってどの講座を受講するか, といった勉強の質も大事になります. しかしそれら全ての条件を完璧にすれば質が確保されるというわけでもありません. 例えば青チャートを絵本のようにパラパラ読んでうわべだけの勉強をしても大して意味ありません. すぐには理解できないことでもじっくり考えて理解/整理する習慣があるかどうか, 自分で調べたりするなどして自己解決する力も重要です.
Q. 精神論はいかがなものかと思います.
A. 自分が知っている範囲内では天才秀才と呼ばれるレベルの人ですら努力量は尋常ではない場合が多いです. 死ぬ気で勉強しなかった人は希望の大学に落ちて当然だと思っておくのがいいでしょう. かなり厳しい言い方になりましたが, 特にしんどいのは習慣化されるまでの期間です. ここを気合いで乗り越えることで, 1日中勉強することが息を吸うのと同じくらい当たり前になっていきます. その意味では「死ぬ気でやってるうちは三流」かもしれません. 一方で休憩や睡眠など勉強以外のことも受験では重要です. (スマホ絡みはおすすめできませんが)趣味や娯楽を捨てる必要も全くありません.
Q. 基礎が大事と言われますが難しい大学を受験するなら基礎はほどほどでもいいのではないでしょうか.
A. いいえ. 基礎ができていない, 基礎ができていないことに無自覚であることが敗因となるパターンは多くあります. まず言っておきたいのは, 基礎と初歩は違います. (教材の名前を挙げるなら1対1, 名問, 化学重問, 英語なら語彙文法英文解釈が基礎です) 教科書レベルの易しい問題が解ける力は基礎力のほんの一部分です. 東工大を受験する人に要求されるのはハイレベルな基礎力です. 網羅性(常識の広さ), 各々の常識の理解の深さ(上部だけの理解でなく根本から意味内容を理解していること), 定着レベル(いつでも引き出せるくらいに頭に叩き込まれているか)これら全てをMAXに引き上げることが難関突破の鍵です. これらを当たり前にすることは消して易しくないので基礎力でしっかり差が出ます.
Q. 他大の過去問をやるのは有効か?
A. 大して意味ありません*33. まずはどの大学でも通用する, どの難関大でも通用する汎用性の高い教育的良問が集まった教材すなわち参考書問題集で勉強し, 最後に自分が受ける大学の過去問で勉強するというオーソドックスな流れをイメージしておくのがよいと思います. ついでに言うと「より難しい大学の過去問をやれば自分が受験する大学の過去問がより楽に解けるようになる」は嘘です. 形式が似た大学の過去問を演習するのも無意味です. 得られるのは充実感・満足感くらいです. 意図的に計画に組み込むのはやめて, ひととおりの普通の勉強をきちんとやること, 終わり次第自分が受験する大学の過去問に絞って何年分も遡ってやることに注力すべきだと思います.
Q. 直前期の勉強は過去問以外に何をやるべきか.
A. 受験校(自分が受験する私大のうち一番上のレベルの大学+東工大)の過去問一択. 似た感じの問題を出す大学の過去問をやるのも問題集をやるのも不適切. ひたすら過去問.
Q. なぜ高1~高2夏くらいまでは英数重視なのか.
A. 英数は時間がかかる科目なので早い時期から基礎固めをする必要があります. 理科は数冊の典型問題集を何周も回すだけでOKですが, 英語は基礎固め後の長文多読に最低数ヶ月は必要です. 数学についても基礎固め後にB~Cレベルの入試問題にできるだけ大量に触れておく必要があります. 英数は時間があればあるほど有利, 先に基礎を固めた者勝ちです. 他の理由としては「高2から高3にかけて理科の勉強時間をより多く確保するため」です. 特に現役生は理科の勉強が遅れがちと言われますがなぜそのようなことが起こるのかというと, 英数の基礎固めが高1高2で完成しておらず理科に時間を割けなくなってしまうからです. 高1高2夏までは英数に注力するとともに, 高2から理科をはじめることも重要です.
Q. どの科目も毎日ちょっとずつバランスよく進めた方がいいのか? それとも科目を絞ってある程度まとめて勉強した方がいいのか?
A. 毎日ちょっとずつ進めるのは場合によっては危険です. 例えば何周も繰り返しやって覚えなければならない教材があったとします. 以下のどちらの進め方が適切でしょうか?
① 中2でゆっくり1周, 中3でゆっくり1周, 高1でゆっくり1周, 高2でゆっくり1周
② 高2の夏休み中に4周
無機質な記憶の場合と意味付け可能な記憶の場合とで適切な復習のタイミングは異なりますが, エビングハウスの忘却曲線における忘却の時定数が数日のオーダーで見積もれる場合, ②の方が適切と言えます. 毎日ちょっとずつ進める方針でいくと内容の定着度に悪影響が出ることもあります. それぞれの科目の勉強内容と相談しながら柔軟に対応していかなければなりません. その他のもっと単純な理由としては, マルチタスクは集中力を奪いやすい*34ということも挙げられます.
Q. 共通テスト対策なら予想問題が一番良いのでは?
A. 共通テスト対策は過去問演習が基本である. 予備校の予想問題は質が低い. 過去問を改悪したような問題, 2次試験の過去問をマーク形式に焼き直しただけの問題, 通常問われないような内容を問う問題もそこそこ含まれる. 予備校講師の作問能力の問題もあるかもしれないが大学入試センターが問題作成にかける期間*35投入資金, 作問関係者の数や質を考えれば当然のことである. 共テに限っては過去問とほぼ同じ問題が出ることも多いのでやはり過去問が最も良い対策になる. 予備校の予想問題は, 新形式になったばかりで過去問が全然無いという場合に限って活用すればいい.
Q. センターの過去問はどこで入手できる?
A. 黒本や東進の過去問データベース(登録無料)から入手可能. BOOKOFFなどの古本屋, メルカリ, 進路指導室を探してみるのもアリ. 学校の教員や塾予備校の教務に相談してみるのも良い.
Q. 共通テスト対策の力の入れ方がわからない
A. 東工大の足切り回避だけでも7割+αの得点率が最低でも要求されると思っておいた方がいい(実際の東工大合格者平均は8割+αくらい). 推薦入試, 私大の共テ利用入試, 後期試験で共通テストの配点が高いところに出願する人もそこそこいるので力の入れ方はその人次第としか言いようがない.
Q. 共通テスト対策の手順は
A.
・2次試験で使う科目はいきなり過去問を使って本番と同じ形式でタイムアタックでいい. 赤本収録年数分(約10回分)でOK. 開始時期は年明けでOK.
・リスニング, 国語, 社会科等は11月中旬~12月から対策を始める. 過去問の大半は参考書の例題と同じように勉強用に使う. 何周もする必要は無く, できる限り多くの過去問(共通テストのものが無くなった場合センター試験の過去問をやるのが良いが, 傾向形式が全く違っていて全く使い物にならないのであれば仕方なく予備校の予想問題を使う. )に当たるのがいい. タイムアタック(実戦形式の演習)は過去問3年分程度やればいい.
Q. 『共通テスト10時間で9割とれる~』みたいなタイトルの本だけでいけるか.
A. 出版社や執筆者は基本的に商売目的でやってます. 言葉を巧みに操って受験生を惑わしてきます. 表紙を取り除けばそこらへんによくある参考書です. 10時間だけで9割に達した例が多数あるのならもちろん買ってやればいいですが, 現実はそうではないことが多いようです(はじめから9割とれる実力のある人が1冊余計に追加しただけというケースもある. 情報収集は慎重に. ). 古文の場合, 単語文法固めた後に取り組む人もマレにいるようですが, 基礎入れた後なら10時間かけて過去問20年分やる方が余程効果があるはずです. 英語と同様, 基礎を固めたあとは量が重要です.
Q. 私大の併願はどこ
A. 早慶理工で良い判定が出ている人は早慶だけ受けておく(傾向形式時間配分が独特なので過去問はなるべく多く解いた方がいい. 受かる自信がかなりある人は両方受けてもいいかもしれないが, 対策の労力的な観点で基本的には片方に絞っておいたほうがいい.) それ以外の人は理科大をおさえておく. 直前期はいろいろと忙しくなるので, 過去問演習の時間を十分確保する為にも私大の併願先は数を絞っておいた方がいい. 「もっと受けろ」と言われたら共テ利用と後期で確保する.
Q. 結局, 塾に通うべきなのか
A. オイシイところだけ取り入れればいいと思う(苑田のハイレベル物理だけとるなど). 全科目通ってもいいのは鉄緑会くらいではないだろうか. 大手の予備校であっても, ただなんとなく全科目受講するというのはオススメできない. 講座を多くとればとるほど受け身型学習の時間が増え, 貴重な自習時間が減っていく. 進度が固定されて不便なうえにテキストの完成度もイマイチという意見もある. 独学の補充や自習室目的であれば推奨できる. その場合, 苑田のハイレベル物理以外の講座として駿台の最難関レベルの数学の講座を1つとると良いかもしれない.
Q. 冠模試で良い成績をとると優秀者冊子掲載されるというのは本当ですか?
A. 本当です. 入学後に全く知らない人から「あのとき~位だった○×くんだよね!」と声をかけられる機会が多くなるので入学後の友達づくりにのためにも冊子掲載を狙っておきましょう.
Q. 東工大過去問の取り組み方は?
A.
受験を意識し始めたその日から定期的に目を通しておく. ただし取り組み開始時期は早くても秋(10月中旬くらい). 私大の過去問もあると思うので, 秋~共テまでの期間に合計10年分もやっておけばじゅうぶん早い方だと思う. 秋冠模試前と本番前2週間における実戦形式での演習は全員必須である(それ以外の期間ではセットで取り組まず, 分析用参考書として使っても悪くはない). 全期間合計10-15年分やれば最低限やったといえる.*36. もちろんより多くの年数取り組んでおくに越したことはない(特に数学). 時間に余裕のある人は他の教材や他大学の過去問には手を出さず, 東工大の過去問を遡れるだけ遡ることをおすすめする. 何周かすることをあらかじめ計画に組み込むことはおすすめしない. 直前期に時間が余った場合, 余計な教材に手を出すくらいなら2周目をやってもいいかもしれないが, やるとしても基本的には自分の間違ったところや重要知識の抜け漏れ部分を軽く復習する, 特に苦手な問題に関しては問題集から類題を探して補充演習する程度でいい. 過去問を何周もするべきだと思っている人は過去問をやる目的と, その目的が適切であるかどうかもう一度検討した方がいい.
本番の解答用紙は教学社の赤本オンライン東京科学大学 理工学系(東京工業大学) | 赤本オンライン に, 本番の問題用紙は東工大のホームページ過去の「入試問題」及び「出題の意図等」 | Science Tokyo 受験生や東進過去問データベースに置いてあるのでコンビニや自宅のプリンターで印刷して使うといい.
Q. 1冊を何周も繰り返す教材と, 復習はほどほどにして何冊も手をつける教材に分けられていますが, そんな区別はせずに何冊も手をつけるというのではだめなのでしょうか. 例えば名問の森と同系統の問題集を何冊もやるなど.
A. 重要な内容が網羅された教材は繰り返しやって頭に叩き込むべきです.
・数を絞って何周もすることによって復習を高速化することができます. 1冊を3周するのと3冊をやるのとでは圧倒的に前者が速いです.
・スピードだけでなく理解の深さも違ってきます. 1周目, 2周目...とやるにつれて内容が整理され, 深い理解に到達しやすくなり問題を俯瞰的に捉えられるようになってきます.
・同系統の参考書問題集であっても書き方や解き方が少し違っていることが多いので無駄に複数冊やると混乱の原因になります. 解答解説の正しさに納得することにばかり時間がかかり, 内容の整理と定着に支障が出やすくなります. (長期記憶に落とすためには同じ情報に何度も触れることが重要ですが, 人間の脳は少し違ったものは別の情報として処理してしまいます. ) 知識を「引っ張り出して」運用する力が弱くなります. 初見の問題を解くうえでは「あの問題と何か似ている」「あの問題に帰着されそう」という直感も大事になりますが, そのような力が身につきにくくなります.
・そもそも重要な内容が網羅された王道教材は数が限られています.
Q. 1冊に絞ってやるべき問題集に取り組む前に, 自分が気に入った問題集を何冊もやるという方法ならいいですか?結局1冊に絞ってやる部分は同じなので.
A. 時間の無駄です. 優先すべきことがもっとあるはずです. 自分が思っているほど時間に余裕がないのが受験です. 失敗の典型「いろんなものに中途半端に手をつけただけ」で終わります.
Q. 参考書や問題集で挫折が多いのですがなぜでしょうか
A.
・それより前に取り組んだ教材の完成度が悪い. 身に付けるべきことを身に付けずに先に進んでしまっている.
・初学の参考書(教科書)と1冊目の問題集の間の期間が長く空いていて, 実質初学の状態で問題演習をしている.
・我流でルートを組んだのならルートの組み方が間違っている.
・すぐには理解できないこと, 難しいこと, 単に量が多いこと, 理解に時間がかかること, ストレスのかかることから逃げようとしてるだけ. 教材が悪いことにして逃げているだけでやり通す力自体は本当は持っている.
・少しでもわからない部分が出てくるとその先は全部わからないものだと決めつけて諦めている. (どうしてもわからない部分は様々な手段で調べ, それでもわからなければ放置してとりあえず先に進み, それ以降問題集等で関連する内容に出くわす度に戻って確認する. )
Q. 復習のタイミングは各科目でバラバラですが共通して言えるような目安はありますか.
A. 新たに勉強した(し直した)内容のうち半分くらい忘れたタイミングで復習を入れるといい. 英単語は1日も経てば多くの内容を忘れるので毎日, 数学は1ヶ月以内. 理科は1~2週間以内(ただし無機のような暗記事項は単語と同様毎日).
Q. 講義系参考書・教科書系を何冊も読むのはなぜだめなのでしょうか
A. 効率が悪すぎます. 問題演習を急ぐべきです. それに, 上で紹介したメインの講義系参考書は完全初学者でもわかるように書かれているので複数冊読む必要はありません. それでも理解できないと仮定するなら読みが浅い(注意深く読めば本来読めるはずのことすら読めてない)ことが考え得る最大の原因になります. 読む参考書を増やすと1つ1つの内容を咀嚼する時間的心理的余裕がなくなっていき, 悪い意味でテキトーな読みになっていくものです. それこそ「わからない」に繋がります. 特に理数系の科目では科目の特性上, じっくり取り組まないとそもそも理解できないといったことがよく起こります.
Q. ある教材より1つ上のレベルの教材に取り組むことによってその教材がはじめて完璧になると言っている人がいますが, そうれあればはじめからレベル順にやっていく必要はないと思います.
A. 受験勉強に限らない一般的な勉強の方法論としてはむしろそのような方法の方が良い場合もありますが, 高校範囲の勉強に関してはレベル順にやっていく方法が王道(そのような方法で良い成績を叩き出した人が多い)であり, 内容の定着のうえで重要な復習のタイミングも考慮すると1冊ごとに完成させていくほうが望ましいと言えます. ただし, いったん上級レベルの教材に取り組み始めたらそれより下級レベルの教材が全く不要になるかというとそうではなく, 下級レベルの教材を参照しつつ上級レベルの教材に取り組むことも, ときには重要であると思います. そのような場面に遭遇したことのある人ほどある教材より1つ上のレベルの教材に取り組むことによってその教材がはじめて完璧になると言いたがりますが, それは教材の順序を意図的に逆転させる方が良い勉強法であることを意味しているわけではありません.
Q. 上の教材をみてみると, 教材の間にレベルの被りがあるような気がします. 完全に被らないようにした方がいいのでは?
A. 悪い意味での被り(例えば青チャートとFocusGold2冊やるなど)はなくしたほうがいいですが, 被りが常に悪であるとは限りません. 網羅性を上げるため, 問題経験を積むために一部レベルに被りのある教材を使うことは悪くないこともあります.
レベルの被りを完全になくしたいのなら極論そこらへんの超薄いマイナー問題集2冊くらい継ぎ接ぎするだけで, 数学でも3ヶ月くらいあれば過去問に到達できることでしょう. しかし, その意味での「到達」に価値があるのでしょうか. はやく簡単に過去問に到達できたとしても, その目の前の過去問は満足に解けるでしょうか?おそらく多くの人には無理です. レベルの網羅ばかりを考えるのもよくないです.
Q. 2次試験は記述式なので普段から記述の練習をして添削中心でやっていった方がいいのではないでしょうか.
A. 記述力と学力を別物だと考えているのかもしれませんがそれは違うと思います. 学力がそのまま記述力に現れるだけです. 学力がありさえすれば何をどこまで記述すべきか自動的にわかるようになります. 添削添削と言っている人は, 添削されなくとも(普通に勉強していれば)身につけられるはずの学力が身についていない傾向があるように感じるので気をつけたほうがいいでしょう.
Q. 塾の初学者向けの映像授業と市販の講義系参考書を両方やるのはどうでしょうか.
A. いいえ避けるべきです. 問題演習する時間がどんどん無くなっていきます. 講義系に無駄に時間を多く割くのは非効率です.
Q. 「○○周やれ」に違和感を感じます. 何周で完璧になるかは人によって違いますよね?
A.
これまで多くの教材を紹介してきましたが教材のタイプによって「完璧に暗記/理解すべき教材」「(勉強を進めていけば自然と埋め合わせさせるので)理解は前提としてまずは95%暗記できればいい教材」「1度理解だけすればいい教材」...などに分類されます. 教材ごとに周回目安は異なる*37ので教材を具体的に指定して話を進めていく必要があります. ここでは青チャートを例にとります. 青チャートは「理解は前提としてまずは95%暗記できればいい教材」に近い*38タイプです. おすすめの周回数は3~4周です. エビングハウスの忘却曲線からも想像できるように, これにはある程度の科学的根拠があり, 復習の間隔を適切にとれば3~4周で長期記憶に入ることが期待されます. 15周しないといけない人がいるとしたら(教科書的な内容を理解したことがない/初学が大昔で内容を覚えていないなどが原因で)そもそも内容の理解が浅すぎる, 復習の間隔を開けすぎている, 完璧主義すぎる等々が疑われます. 1周でOKだと言う人がいるとしたら悪い意味で自信過剰な性格であるか, 勉強の方法を誤解している(理解しさえすれば完璧だと思い込んでいる)可能性が高いです. 周回数の目安を知っておけば間違った勉強法が自然と排除されるので「とりあえず○○周」はそんなに悪い目標だとは思えません. 1周目で完璧に理解, 3~4周で完璧に暗記しようという意識を持って取り組むことをおすすめします.
Q. 青チャート1対1重問エッセンス名問みたいなインプット教材の取り組み方についてですが, 答え見ずに自力で何十分も考え抜いてわからないところ間違ったところはなぜわからなかったのかなぜ間違ったのかを分析するほうがいいのではないでしょうか?
A. いいえ. まずは学問的に正しく汎用性の高い解法/考え方/手法を身につけるべきで我流は避けるべきです. 問題演習=アウトプットみたいな考えは捨てるべきです. 演習問題集にはインプットに相応しいものとアウトプットに相応しいものがあります. 上で挙げられた教材は全てインプットに適した教材です. インプット教材で得た知見を運用する力を試すのがアウトプット教材です.
インプット教材を答え見ずに自力で何十分も考え抜いて、わからないところ間違ったところはなぜわからなかったのかなぜ間違ったのかを分析するという方法をとっている人が陥りがちなことを以下に挙げます;
・自分のひらめきで書いた答案がなぜ間違っているのか自分の力ではわからないことが多いので人にその都度聞かないと勉強が進まない
(→勉強は基本的に自分でやるものである. 人に聞くことそれ自体は良いことが, 自分の間違いや疑問は自力で解決できて他人の答案や教材の誤植も自分で修正できるくらいの力がないといけない. それができないうちに我流でやるのはよくない. 自分で自分を指導できるくらいの力をつけるのが先. どのようにして力をつけるのかについては既に述べている. 自分の質問に正しく回答してくれる指導者はそのような勉強を済ませているからであって, 先天的な判断力があるとかそういうことではない. )
・自分の出した答えが合っているだけで安心し, 本解とそれに関する内容の定着を疎かにする.
(→自分の解法が本当に正しいものなのかは自明ではない. 合っていそうでも実は重大な間違いをしていることがよくある. もっと先の勉強をしないとわからないようなこともある. 高校範囲内の知識では解決できない疑問もある. それを判断する力が既にあるのであればその教材ははじめから要らない. )
・修正しようのないくらいレベルの低い間違いをする. (もはや数学とは言えない, もはや物理とは言えない, エセ科学のような間違いは修正のしようがない. 考えるだけ無駄. むしろ正しい理解の邪魔ですらある. まずは正しいものを身につけろとしか言いようがない. )
青チャートのような網羅性の高い教材でも網羅しきれていない内容があるので結局無意味ですよね?
A. 網羅性の高い王道教材は森羅万象を網羅していません. というか網羅すべきではないのです. 例えば数学で言うと, 森羅万象を網羅したいのなら電話帳並みに分厚い高校数学解法辞典でも足りないくらいの量, 英単語で言うと辞書になりますが, そんなものをやっている間に受験なんてすぐ終わってしまいます. いわゆる網羅系で網羅されるべき内容は「特に重要な内容」「何度反復してでも身につける価値のある内容」です. 単語帳なら「特に重要な単語」「何度反復してでも身につける価値のある単語」です. そこで漏らした内容は後から肉付けすればいい内容, 後から肉付けするのに相応しい内容になります. (どの内容が網羅されているべきでどの内容が不要なのかを検討することは無意味です. 特に王道とされているものを信用すればOKです. そう言える根拠は, 「それを使いこなして全国トップレベルの実力を身につけた受験生が過去多くいるから」です. ) 「一気に100が得られないなら何やっても一緒」というような, ものごとを0か100で捉える完璧主義はやめましょう. 大事なのはメリハリです. まずは100のうち特に重要な70を優先的に身につけ, 残りの30を肉付けしていくべきです. 数学であれば, 30の肉付けがどれほどうまくいくかは70の内容の完成度にも依存します. 特に数学では定石や重要手法の一般化とその運用が1つの重要ポイントですが, それを身につけるのに相応しい教材のうち網羅性のあるものは青チャートや1対1あたりに限られます.
Q. 勉強法については大手予備校講師の意見を信じればいいのではないか
A. (実力でトップレベルの)大手予備校講師は受験問題を解くプロ/受験問題解法の教育者であって, 限られた期間で合格水準に達する力をつけるための受験勉強法のプロ/教育者ではありません. 信じるべきは受験強者におよそ共通する方法論です. 予備校講師は自分の著書の売り上げが伸びるような, 自分の名前の売れが良くなるような方向性でアドバイスをすることがあるので予備校講師の発信するおすすめ教材や勉強方法論に関しては基本的に疑うべきです. (問題の解法や, テキストの学問的/客観的内容の説明などは基本的に信用してよいです)
Q. 勉強の具体的内容(数学の問題の解き方など)は予備校講師や教師よりも各大学の在籍者に個別指導で教わった方がいいのでは?
A. 入試で満点朝飯前くらいのレベルの学生からであれば教わる価値はあるが, そのような学生はほぼいない. ごく一部のプロ教師, ごく一部のプロ講師に限られる. 学生は "合格に必要な点数をとる方法論" しか知らないと思っておいた方がいい.
Q. 基礎を固める前にいきなり過去問や難関大レベルの問題集から取り組み, 自分の弱点を把握した方がいいのではないでしょうか.
A. 大学受験に限らず一般論として「ゴールを先に確認する」というのは良いことだと思います. 基礎固めをする前に過去問や今後自分が使うことになる教材に軽く目を通すくらいはやっておくべきです. しかし過去問を時間計って何年分もやったり難関大向けの問題集をじっくり解いて1周以上したりするのはあまりにも非効率です. かける時間の割に, 得られるものもほとんど無いと思います.
・そもそも, まともな分析をするには基礎力はもちろん, かなりの学力が要求されます. ナンセンスな分析をして変な勉強に走り出す危険性も伴うのでおすすめできません.
・これから基礎を固めるという人にとってはほぼ全ての内容が弱点であるはずです. ''解ける問題がそこそこあるが解けない問題(弱点)も一部ある'' という状態だとしたらそれは異常ですし, (普段科学オリンピック(競技系)に浸っている人なのでしょうか. 地頭・才能の関係で, 何も知らなくてもありとあらゆるものを生み出せるタイプの人なのでしょうか. そのような人は前提が違うので例外です.) そもそも, 問題が単に解けただけでは真に基礎力があるかどうかはわかりません. 長い時間かけてヘンテコリンな再現性の無い解答を捻り出し, 「答えはなんか合ってるしまあ大丈夫か」となってる状態では基礎力があるとは言えません. その問題の本質(基礎基本)がすぐ言えるようになっていることが未知の問題への運用において重要です. 汎用性の高い解法/考え方を身につけることもさらなるレベルアップを目指すうえで重要です. そのような水準を目指すとなると, 基礎固めを始める前の段階で真に完璧になっている問題なんてほとんど無いのが普通ではないでしょうか. そうであれば, わざわざゴールから攻める意味はありません. 結局は満遍なく基礎固めをやることになるんです.
・王道の教材を王道の順序方法で勉強すると決めてはいるが, それを始める前に過去問や難関大レベルの問題集をやるとした場合, 生じるデメリットは時間を損するくらいです.
・ 過去問や難関大レベルの問題集から弱点を洗い出してそこだけ基礎固めをするいう場合, 基礎の抜け漏れが生じます. 世の中には様々な試験があるので一般論としては通用しませんが少なくとも難関大の入試ではそうなるようにできています. 東工大数学過去問や新数学演習には確かに本番レベルの問題が載っていますが, 網羅性が無いのでそれらの問題を解くための基礎力だけを身につければいいということにはなりません. そもそも, 過去問や最上級レベルの問題集が解けることが真の目的/真のゴールではありません. 問題集や過去問は基礎の運用力を強化するための手段です. それらを完璧にしさえすれば低級レベルの問題集が自動的に完璧になる(大は小を兼ねる)ということでもありません.
Q. 記述模試で全国1桁順位とっていた人が落ちたらしいのですがなぜだと思いますか.
A. 誰しも成績には上振れ下振れがあります. 普段の模試は微妙だけれども調子が良いときにとてつもなく良い成績をたたき出す人がいます. そのような, 下振れと上振れの差が大きすぎる人は運が悪ければ落ちます. たとえ上振れが理Ⅲ合格レベルであっても下振れが東工大合格水準を下回るのなら東工大に落ち得ます. 重要なのは "上振れがどれだけ高いか" ではなく, "下振れが合格最低ラインを余裕で上回っているかどうか" です. 下振れラインを引き上げるには, 正しい勉強法で基礎からの着実に積み上げることが重要になると思います.
Q. すぐ眠くなる
A.
・コーヒーを飲む. ガム, 固めのグミ, ラムネも効果があると言われている.
・机にレモンを置く.
・コーヒー飲んでタイマー15~20分くらいに設定して机に突っ伏して寝る. (コーヒー飲めない人はカフェイン強のコーラとか?)
仮眠に最適な時間帯としては14時~15時くらいと言われている. 夕方夜に眠くなる場合でも14時~15時くらいに仮眠をとってみる.
・顔を洗って歯磨きして目薬をさす.
・普段の水分補給は緑茶から.
・室温を最適化する. 快適な温度が最適であるとは限らない. 迷ったらとりあえず22℃.
・勉強科目を変える.
・生活リズムを見直す(特に就寝起床時間), 1日3食バランスの良い食事がとれているか確認.
・健康面に問題があるのかもしれない. 病気の疑いがあるのならすぐ病院に行く.
・睡眠時間を削らない. 記憶力を維持するという意味でも最低でも6時間は必要.
Q. 集中力がすぐ切れる・やる気が出ない
A.
・場所を変えて勉強するといい. カフェ(安いのはドトール), マック, サイゼリヤ, ミスド, モスバーガー, 公立図書館, 学校の図書室, スーパーなどの飲食休憩スペース, 自宅(自室だけでなくリビングも検討), 学校塾予備校の教室や自習室, コーワーキングスペース, 有料自習室などいろいろある. 目で読むだけの教材なら公園, 駅のベンチ, 病院, 電車の中や公共施設の待合室なども使える. 集中できる場所を見つけたら暫くの期間はそこを自分の勉強場所として固定しても良い.
・既存の習慣or習慣化しやすい簡単なことに, 勉強という行為を付け加える. 例えば「寝る直前に英単語を暗記する」「バスの待ち時間は勉強する」「ごはん食べたらすぐ勉強する」「風呂あがったらすぐ勉強する」「学校が終わったら通学路にあるカフェや図書館に必ず立ち寄り, 立ち寄った時は必ず勉強する」と決めておく.
・スタディプラスに毎日勉強時間を記録する.
・とりあえず勉強場所に移動して好きな科目から始める. (勉強を先延ばしにしていてだらけてるという現状が更なるメンタル悪化を招く)
・立って勉強する. (それに相応しい机は必要)
・スマホは勉強場所に持ち込まない. スマホを家において外で勉強する, 自宅で勉強するときは別の部屋にスマホを置くなど工夫する. どうしても携帯せざるを得ない場合, ロック解除パスワードを長い複雑な文字列に設定し, 電源を切って荷造り紐でぐるぐる巻きにして鞄の一番奥(底)に沈めておく.
・スマホを見ながらなんとなくダラダラ過ごしてしまうのを防ぐため, スマホを使う時間と使わない時間を決めておく. スマホの電源を切るタイミングは「勉強場所に移動した後」「風呂に入った後」など予め具体的に決めておき習慣化に落とし込む.
・スマホやタブレットは人間の学習能力を下げるという報告がいくつかあるのでできるだけ避ける.
・アラームを設定して50分勉強10分休憩のルーチンでやってみると良い. ただし休憩中はスマホを触らない. 少し外に出たりコーヒー飲んだりする程度にしておく.
・勉強は継続しつつも趣味や娯楽にも時間を割いてみる.
・1日単位の計画では「目の前の勉強の目的は何か」「何を勉強するか」「何時から始め, 期限は何時までにするか」「どこで勉強するか」を明確化しておき手帳に書き込んでおく.
・キリの悪いところで勉強を中断して休憩する.
・頻繁に使う(使わなければならない)教材は本棚に綺麗に並べず, 机に広げてすぐとりかかれるようにする.
・勉強場所周辺を片付けて気が散らないようにする.
・朝型の生活にして, 勉強時間を「夜6時間」を「夜3時間朝3時間」に分割する.
・徒歩や自転車での通学時間移動時間15分未満の人は軽いジョギングウォーキング20~30分程度を勉強の合間に組み込んでみてもいいかもしれない. 特に勉強前の有酸素運動が効果的.
・室温を最適化する. 快適な温度が最適であるとは限らない. 迷ったらとりあえず22℃.
・部屋を換気する. 二酸化炭素の濃度は高くない方がいいと言われている.
・健康面に問題があるのかもしれない. 病気の疑いがあるのならすぐ病院に行く.
・規則正しい生活をする.
・水分不足と集中力の低下の間に相関があると言われている. 水分不足にも注意しておく. (塩分や砂糖が多く含まれる飲み物, 炭酸飲料は良くないという説もある.)
・食事にも注意してみる. 1日3食で固定, 特に朝食は抜かない, 栄養バランスにも注意. サプリの摂取も検討. 内容の正確性は保証できないが例えば以下のような記事を探してみるといい.
https://shimi-shin.com/research/food-brain/
食べ物で頭がよくなる?!頭の回転と記憶力がアップする食べ物|dヘルスケア (docomo.ne.jp)
記憶力を上げる食べ物5選! 勉強に集中するには何を食べればいい? - STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習
脳を活性化する食べ物ベスト5 ※頭の回転、記憶力、集中力アップなど | 心理学の時間ですよ!! (psychology-japan.com)
Q. 朝起きたいのに起きられない
A.
・カーテンを開けたまま寝る.
・ 起きたらすぐ水飲んで歯磨き, 熱めのシャワーを浴びる.
・目覚ましアラームのアプリを探してみる(計算問題解くタイプなど様々)
・目覚まし時計を複数個用意して部屋中に分散させて置く.
・冬であれば起床時刻の1時間前に暖房を入れる(夏なら起床1~2時間前に冷房を切る)タイマーをセットしておく.
・当たり前だが夜寝る時間に注意する. 寝る前のスマホやテレビもNG.
・健康面に問題があるのかもしれない. 病気の疑いがあるのならすぐ病院に行く.
Q. 東工大合格者の勉強時間はどれくらい?
A. 1日中勉強してるから勉強時間なんて数えていないという人も多いかもしれない. よく言われるのは平日6時間, 休日10~12時間, およそそのくらいだろう. 「頑張っているのに伸びない」という人がいるが毎日限界まで勉強してはじめて人並み, サボれば落ちるというだけなので頑張っていることによる成果を期待すること自体が甘いと言える. 特に勉強時間が少ない日が続くのなら, その日から暫くの間は勉強時間を毎日記録する.
Q. 高1高2で未習内容も多いが実力試しで大学の過去問をやるべきか. もしやるとしてどれくらいとれればよいのか.
A. 時間の無駄. 普段の模試で実力をはかればよい. 出題範囲も限定されており過去の合格者のデータに基づいた判定や周りの受験生との比較評価も確認できるので模試の方が良い指標となる. 大学の過去問を解いて何割以上とれれば現時点でOKなどという考え自体ナンセンス. いつ解こうが合格水準に達していなければダメなものはダメ. どう勉強しても簡単に4割以上とれるようにつくられているが6割以上に達するのが至難の技でちょうどそこに合格ラインがあるテストを仮定しよう. そのテストで現時点で4割とれていればOKといえるのだろうか. 勉強時間や勉強量と成果は一般に比例しない. 人によっては頭打ちがある. 今の方法で今後いくら勉強しても6割に達することはないかもしれない.
過去問が1題は既習範囲の難問で残りの4題は未習範囲の標準問題としよう. 実力試しで解いてほぼ0点だったとき, 1題の難問を解くためには今後どのような勉強をすればいいのか分析しがちである. しかしそれはあまりにもナンセンスである. 実力試しは今後の勉強方針を悪い意味で大きく変えることになるかもしれない.
Q. 受験勉強はいつから始める?
A. 受験範囲の勉強の標準的な開始時期はおよそ中2~高1です. デキる集団ほど後ろ倒しの傾向にあるのかというと全然そうではなく, むしろ前倒しの傾向があります. (例えば鉄緑会では中2から始めるようです.)
遅れているなら急ぐ必要はありますが, 勉強時間を増やす以外の方法で早い人に追いつくのは無理だと思ってください. 勉強の重要なステップ端折ってショートカットしたりするのは逆効果です. 進度は追いついても成績は追いつきません. 「自分は高3夏から始めた」と言う合格者もいますが嘘だと思っておいていいです*39. 受験勉強の定義が人によって違うということもあります. 学校教育が受験に特化しすぎており独学が不要な場合もあるかもしれません.
Q. 東工大に落ちたので駿台河合で浪人し再チャレンジしたい. しかし親の許可が得られない. 他に選択肢は無いのか.
A.
・宅浪
まあまあ聞く. 予備校代はもちろんかからないが, それでも金銭的な事情で浪人は厳しいという場合, バイトしながら受験勉強するといいかもしれない. 人と関わる機会も増えてメンタル的にも良いのではないか. (他人事)
・仮面浪人
これもまあまあ聞くが進振り/系所属のある大学(つまり進学後の成績で学科や系が割り振られる大学)で仮面するのは難しいので仮面する気があるならできるだけヌルい大学に行った方がいい.
Q. 浪人自体は可能だが, 正直迷っている.
A. 浪人しないで後悔する(過去の結果や学歴を一生引き摺る)人は山ほどいますが, 浪人して後悔する人はあまり聞いたことがありません. 多浪はさすがによくないですが1浪2浪くらいまでならやってみてもいいのではないでしょうか. 後の人生に悪影響を及ぼさないのもそれくらいです.
Q. 学校の授業で内職するべきか
A. 自分にプラスにならない授業なら躊躇わず内職しても良い. 受験で使わない科目は内職必須.
Q. 東工大近くにホテルはあるのか? 受験前日に宿泊したい.
A. 無いです. まずは大井町駅, 武蔵小杉駅周辺を探してみるといいのではないでしょうか.
Q. 第一志望の学院が決まっていないがどのようにして決めればいいか.
A.
・院試の過去問を見てみる
・各学院の研究室をひととおり調べてみる
Q. 合格をより確実にするためには?
A. 英語理科を高いレベルで安定させ, 数学で突き抜ける.
Q. どれくらいの成績をとれば大丈夫なのか
模試の判定を文字通り受け入れる. 過去の受験生の成績データと合否(受験結果)の情報をもとにしたものであるので, 客観的で信頼性がある.
Q. 大学受験対策を目的として大学範囲の勉強をすることに意味があるか?
A. オリンピック(競技系)の対策で必要になるのなら大学範囲であっても各自で勉強すればいいし現時点で希望の大学にラクラク受かる(或いは人より極端に少ない勉強で受かると言えるだけの根拠がある)ような実力の持ち主であれば何でも好きに勉強すればいいと思うが, 大学受験においては基本的に大学の範囲を勉強することは何のメリットにもならない(新物理入門はほぼ高校レベルなので除く). 大学範囲の勉強に一生懸命になって希望の大学に落ちるという人がごくたまにいるが, 「どこで学ぶか」「どんな環境で学ぶか」を軽視しすぎているように思う. 本気で学問・研究に打ち込みたいという人にとって最高の環境が用意されていると言えるレベルの大学は片手で数えて足りる程の数しか存在していない. 「何を学ぶか」は重要だがそれは「どこで学ぶか」にも依存している. 「今」受験勉強に全力を尽くすことにどんな意味があるのか, 「今」しかできないことは何なのかよく考えた方がいい.
Q. 問題集の解説で詰まるところがなかったので自分のレベルはもっと上だと思います. 次の問題集に行っていいですよね.
A. 合否に関わる問題は「解説を見さえすれば多くの人が理解できる程度の問題」です. 全く手が届かないわけでもないような問題をいかに完璧に解けるかが分かれ目となります. 大事なのは, 実際に解けと言われたら何も見ずにスラスラ解けるかどうかです. それが本当にできているのかを確認してから次の問題集に行くべきだと思います.
Q. 参考書問題集のレビューで悪い評価がついているのが気になるが気にしなくていいのか?
A. あまり当てにならないこともよくあります. 特に王道参考書問題集に対する低評価については教材ではなくユーザー自身に問題があることが多いです. そもそもその教材に着手するに相応しい段階(レベル)に無い人によってつけられた低評価もあります. どうでもいいこと(その教材には本来要求されていないこと)にクレームをつける人もいます.
Q. Amazonのベストセラー参考書はすべて王道ではないのですか?
A. いいえ. Amzonの売り上げは業者や著者が裏技を使って盛ってます. それに, 誰に購入されているかが重要です. 仮にMARCH志望の1万人が買っていたとしてもそれを王道と言っていいのかどうか怪しいです.
Q. 教材や方法論について情報収集するうえで注意すべきことは何でしょう
A.
・その人の実力が高いレベルで安定するまでにやってきたことと, 高いレベルで安定した後に追加でやったことを区別すること(例えば「青チャートを完璧にしたうえで百マス計算を1万回やって模試で高得点とった」というケースでは百マス計算が本質でないことは誰にでもわかるだろう). その成績に至った主要因(1つとは限らない)が何なのか考えること.
・その人が置かれた特殊な環境があってはじめて成り立つ勉強もある. 英語なら帰国子女, 数学なら幼い頃から数学漬けで生きてきたような人, 理科ならオリンピックの勉強ばかりしてきた人が「受験参考書は○○1冊読んだだけだよ」と言っていたとしても参考にならない. もっとありがちなのは学校の勉強. 一口に「学校の授業」とは言ってもピンからキリまである. 自分が受けている教育と他校の生徒が受けている教育は全く異なると思っておいた方がいい. 鉄緑と大差ないどころかそれを越えるような質の高い教育を受けているかもしれない. 学校の課題にどれだけ取り組んできたのかも無視できない要素である. 自分と異なる教育を受けてきた人に「市販参考書は○○(難問奇問集)しかやらなかったよ」などと教えられてもそれが参考になるとは限らない. その他, 才能があってはじめて成し得た可能性, 天才として認知されたいために嘘の情報を混ぜている可能性を考慮に入れること. たった1つの成功事例を過信するのは危険. 大量に情報収集すれば多くの実力者に共通していることが見つかるかもしれない. それこそが再現性の高い方法・教材.
・2年前の過去問をやった後○○の参考書で勉強したら1年前の過去問の点が上がったから○○は効果的な勉強法であるという主張に注意. 2年前の過去問と1年前の過去問は難易度が同じだろうか?誤差の範囲内という可能性は無いだろうか?その過去問が初めての過去問演習であった場合, 過去問慣れによる得点アップの可能性はないだろうか?○○以外の勉強は何もしていないのだろうか?
Q. 成績が伸びている人の勉強法/使用教材は全部参考になりますよね.
A. いいえ勉強して伸びるのは当たり前です. 大事なのは「どこまで」伸びたのかであって「どれくらい伸びたのか」は重要ではありません. 例えば偏差値20から30伸ばして50にした勉強 vs 偏差値80を達成した勉強 , 参考になるのは後者のみです.
Q. 東工大志望者の勉強法なら信頼できますよね.
A. いいえ. 東工大受験生の75%は落ちるので「落ちる人の勉強法」を参考にしているようなものです.
Q. 不合格体験記は役に立ちますよね
A. いいえ. 現状分析力が低いことが原因で落ちた人も多いはずです. 的外れな体験記である可能性が十分にあります.
Q. 自分の気に入った参考書の前書きには「王道参考書は内容が古く流行に追いつけていない」と書いてありました. 王道よりも新しい参考書の方がいいのではないでしょうか?
A. いいえ. 「最近の入試に合った参考書を選ぶ」は王道的判断とは言えません. 実力のある先人はそのような判断をしていないのです. それに, 王道参考書こそ(需要が多いからなのか)改訂, 内容差し替えが頻繁に行われています. その為, 流行を気にする必要は多くの場合無いのです. 入試が毎年少しずつ変わっていることが仮に事実だとしても, その流行に合わせるべきか否かはまた別の問題です. 流行を追うことそれ自体が本質ではない場合もあります. 例えば東大の物理では光ピンセットのような最近の研究で特に盛り上がっている内容が背景テーマになって出題されることもありますが, その対策として最新の物理を勉強するというのは非常にナンセンスです.
以上では入試が毎年少しずつ変わっていることを仮定しましたがそもそもこれは本当に正しいのでしょうか? 参考書の著者は自分の本がよく売れるようにありとあらゆる宣伝をします. その中には嘘も含まれます. そうしないと売れない(それくらい売り上げ競争が厳しい)からです. 入試問題の分析に詳しい受験生はまずいない*40ので情弱ビジネスは簡単です. 「王道参考書は内容が古く流行に追いつけていない」と宣伝すればその参考書より最新の参考書を除く全ての参考書を叩き潰すことができます.
.
Q. 合格者や受験生が「○○の参考書問題集マイナーだけど中身は良さそうでやればよかったな. 過去に戻れるならそれやってたわ. 」と言っていました。自分はまだ時間があるのでそれやったほうがいいと思っているのですがどうでしょうか.
A. いいえ危険です. それを使って高い学力を身につけた人の数が少ない, つまりマイナーであるということなので「良い」と言える証拠が不足しています. 実際その人たちがその教材を使って高い実力を身につけたわけではないので証拠の数が増えたわけでもありません. 隣の芝生は青いです. 合格者や受験生の言う主観的な「良い」はあてにならないとこもあります.
Q. マイナー参考書にも良いことが書いてあると思うのでマイナー参考書こそやるべきではないでしょうか? YouTubeのチャンネルや科目別の受験対策サイトも同様.
A.
・これからその内容を勉強しようというレベルの人が参考書やYouTubeの良し悪しを判断するのは難しいです. 良く見えるだけのことも多いです.
・マイナー教材を好き好んで選ぶ人はその教材の良いところばかりに目がいって悪いところを無視している, 悪いところに気づいていないことが多いです. 例えば問題集では「良い解説」と評価されやすいような特殊な問題だけが厳選されているだけで, 選問バランスが悪いこともありえます. わかりやすく見える教材が本当にわかりやすいとも限りません(そもそも, わかりやすければわかりやすいほど良いと言えるか?という問題もあります ). 問題集であれば扱っている問題量が少ないとか, 解説が悪い意味で多すぎて演習量不足の原因になったりすることもあるでしょう.
・ 王道的な方法を軸に勉強を進めていてわからない部分や気になることを調べていたらちょうどその部分を解説しているマイナー参考書やYouTubeや受験サイトが見つかったとします. それを利用して疑問を解決するのは何の問題もありません. 調べることは大事です. ただしその教材を丸々1冊通読したりするのはよくありません. 完璧主義にはならずに辞書的に使う(その部分だけ参考にする)のがいいです.
Q. どの教材も中身は同じと言っている人がいましたが信じていいでしょうか
A. いいえ. その人はこの世の全ての参考書問題集に取り組んだのでしょうか. ほとんどの場合憶測です.
Q. 参考書や問題集って説明の仕方が違うだけですよね.
A. いいえ扱われている内容が違ったりします. 自分で変な選び方をすると本来勉強すべき内容も勉強できなくなる可能性があります. 特に重要な内容の抜け漏れは1つ2つのレベルでも本番では致命的になり得ます.
Q. 参考書問題集は自分の直感に合った好きなものを選ぶべきではないですか?
A. 自分の話になりますが, 大学受験範囲の勉強を始める前にまず全国トップレベルの学力をもつ受験生, 合格者らが使っていた参考書問題集, 通っていた塾予備校, 勉強法の情報収集から始めました. 多少の選択の違いはあるものの, 共通点が多くみられました. 使っていた教材はほぼ同じようなものでした. 大型書店に行けば何百もの種類の参考書問題集がズラリと並んでおり何通りもの選択肢が有り得るにも関わらずです. 通っていた塾, 塾で受講していた講座の選択の仕方についても似たようなものでした. 彼らの方法をとりあえずマネればきっとうまくいくのではないかと思い, とりあえず実行に移したところ本当に成功してしまいました. しかし本当に単にマネただけなので何が成功の本質であったのかは当時はよくわかっていませんでした. 入学後, 個別指導のバイト*41で難関大や医学部を目指す(けれども学力イマイチな)生徒を何人か受け持つことになりました. 彼らは意外とよく勉強していましたが, 自分で好みの参考書を選び, 独特の勉強法(あるいは漠然とした方法)で毎日熱心に取り組んでおり, 自分と異なっていました. まずそれらの参考書を分析してみました. 中身を軽く読んでみるとわかりやすそうで, 使いやすそうで, 序文や表紙に書かれたコンセプトは一丁前前なもので, 完璧に見える教材でしたが, もっとよく読んでみると余計な解説ばかりがバカていねいに書かれている一方で肝心な解説については省かれている, 重要な問題が抜けていて余計な問題が多い, 構成や問題の質・量・問題の選び方が悪いなど, 王道のものと比べて明らかに劣っていました. しかしそれを本人に指摘しても納得してもらえませんでした. 教材の質は素人が見た目で判断できるようなものではないので当然かもしれません. 出版社・執筆者はそういった情弱を狙ってうまく釣り上げようと ありとあらゆる工夫を施してきます. そもそも出版社・執筆者は商売が第一であって, ユーザーの学力を伸ばす(志望校に合格させる)ことを目標にしているわけでは必ずしもないというのを認識しておくべきです. それでも自分の直感に合ったものを買いますか? それとも大学受験を俯瞰できる先人(成功者, 実力者)の跡を辿りますか? 参考書だけでなく塾や予備校, 受講する講座にも同様のことが言えるはずです.
Q. やはり自分に合った教材・自分が良いと思った教材を使うことが本質であると思いますが違うのでしょうか?
A.
・実績申し分のない塾予備校のテキストを調べてみてください. 生徒一人一人の性格・好みに合わせたオーダーメイド式になっているでしょうか? 現状, 鉄緑会のテキストも, 東進のハイレベル物理のテキストも, 共通教材です. そもそもゴールは共通です. その人に合っているかどうかはどうでもよく, 中身(何を勉強するか・どれくらい勉強するか・どのように理解するか)が重要であるということです. 個性を混ぜることは本質ではありません.
・経験上, 本人がやっている勉強法/本人がやっている教材に対する満足感の高さと本人の成績との間には何の相関も無いように思えます.
Q. 特に基礎固めの段階の教材選びで網羅性が重視されているように思いますがなぜでしょうか.
A. 逆に基礎固めの段階で網羅性を重視しないということは, 他の受験生にとっては常識事項なのに自分にとっては常識でない内容が多くあるということを意味します. これはかなり危ないです. 大きな差になります.
Q. マイナー参考書であるものの表紙や前書きに「これ1冊やれば完璧」「従来必要とされてきた暗記事項の多くは不要」「わかりやすい」と書いてあったので使おうと思いますがマズいですか
A. 前書きや表紙は商売のためのものであり, 中身とは関係ありません. 嘘の宣伝も少なくありません. 一部の内容については宣伝の通りかもしれませんが, その著者の得意としている内容しか載っていない(つまり網羅性が悪い), 受験ではほとんど重要でないが著者の説明能力の高さをアピールするために仕方なく盛り込んでいる内容もそこそこ含まれている場合が多くあります.
Q. いくら良い服であっても似合う人と似合わない人がいます. 自分に合ったものがベストではないでしょうか?
A. ファッションの世界と受験の世界とでは最終的なゴールはもちろん事情がいろいろと違うので安易な結びつけをするのはナンセンスです. 自分に合ったものを選ぶべき場面, 自分に合ったものを選ぶことに意味が無い場面があります.
Q. 自分に合わない勉強をやっても成績は伸びないのでは
A. 自分に合ったレベルから始めるという意味であればそれは正しいです. レベルの話は別として, 一般に自分に合った勉強法と高偏差値とるための勉強は必ずしも同じではなく(例外的に両者が偶然一致している人もいる), いくら自分に合っていると思い込んでいても結果として成績が微妙ならその方針はダメです. 自分に合っていると感じる勉強法と効果的な勉強法は一般にベツモノです. 学術的評価はさておき以下の研究論文が出ているようです;
Pashler, H., McDaniel, M., Rohrer, D., & Bjork, R. 学習スタイル:概念と証拠。公益のための心理学, 9(3),(2008) 105-119.https://doi.org/10.1111/j.1539-6053.2009.01038.x
Husmann, P.R. and O'Loughlin, V.D. , Another Nail in the Coffin for Learning Styles? Disparities among Undergraduate Anatomy Students’ Study Strategies, Class Performance, and Reported VARK Learning Styles. American Association of Anatomists, 12: 6-19. (2019) https://doi.org/10.1002/ase.1777
科目ごとに適した方法をとるべきです. 例えば単語暗記なら人間の脳の性質上成果の出やすい方法が決まっています. 長文型の単語帳を長期間かけてじっくり1周するのと, 通常の単語帳を短期間に毎日何周もするのとでは後者の方が効果的です. "自分に合っている" が "より勉強した気になれる" , "よりラクに勉強できる" になっていませんか? 長文型の単語帳に限っては, 一度に単語と長文を完璧にしようとしてメリハリがつかず最終的に(充実感以外の)何も得られていない人がいたりします. とりあえず成果を出した先人に共通する方法を実行しておけば大きな失敗は回避できると思いますが, それでも自分の直感ばかりを信じますか?
Q. 自分に合った教材を使って成績を伸ばしてる人はいますよね
A.
・勉強して成績伸びるのは当たり前なので何を使ったかは関係ありません. 重要なのは伸びるか伸びないかではなく, 自分の下振れの学力が「どこまで」伸びるかです.
・もしその人の成績が素晴らしいものであったとしても同様の成功例がほとんど無ければ大して参考になりません. その人の特殊事情が絡んでいる可能性が充分にあるからです. 例えば塾予備校・学校の良い環境があってはじめて成し得たことかもしれません. (大学受験の合否を考えるうえではあまり関係しませんが)実は本人の才能やセンスが主要因なのかもしれません.
・「自分に合っている」と言いながら実際は王道教材ばかり使って結果を出している人もいます. それとは反対に, マイナー教材ばかり使って結果を出した人も中にはいるに違いありません. しかしそのことは「そのマイナー教材 "だけ" がその人に合っていた」ことを意味しません. 王道教材を使っていたらそれ以上の成果が期待されるかもしれません.
Q. 王道教材を使っているのに成績悪い人もいますよね
A. そもそも王道教材を選びさえすれば魔法のように点数が上がるといったことは有り得ません. 結果が出ていないのなら正しい方法で勉強していない(or努力不足でそれができていない), その王道教材の前後の教材選択や勉強を間違えているなどの可能性があります. 正しく使えば結果はついてくると言えるくらいの根拠が多くあるのが王道教材です. 「どんな教材を使っても正しく使いさえすれば結果はついてくる」とは言えないからこそ王道教材に価値があります.
Q. 自分のお気に入りの勉強をした方がモチベーションが上がって勉強が長続きするのでは?
A. 自分のお気に入りの勉強を毎日10時間継続してもMARCHにすら引っかからない学力の低い受験生が山ほどいるのが現状です. 長続きしただけでは意味がないのです. ライバルは王道かつ効率的な勉強法で何時間も勉強し沢山の量をこなしています.
Q. 使いやすい教材を選ぶべきでは
A. いいえ. 使いやすいかどうかは重要ではありません. ただ単に使いやすそうなだけで内容がダメな教材は沢山あります. 世の中には安易な考えしか持てない受験生が多くいることを出版社や著者は把握しているのでストレスなく楽に勉強できるように感じられる本を出したがります. それを買った人が後にどんな成績をとろうが利益に関係しないからです.
Q. 王道の問題集を使っているが, 解説がわかりにくい. 本当に良い本なのか?
A.
「わかりにくい」は嘘です. 大学受験用教材の圧倒的大半はバカ丁寧に書かれています. 特に王道教材はわかりやすいものばかりです. もし挫折するようなら基礎から積み上がっていない, 勉強の順序が間違っている, 定着を疎かにして予習ばかりしている, 文字を追う作業をやっているだけで理解しようという意識を持って読み進めていないなど, ユーザーの方に原因があるはずです. 時間をかけて考えれば理解できるくらいの能力があるけれどもそれをやりたくないと思っているのであれば, その考えは捨てるべきです. 何かを学習する際, 頭に負荷をかけることは重要です. 解答解説をじっくり読んで咀嚼すること, 行間を埋めることも演習の一部です. そのようなことの積み重ねで考える力が身につき, 定着率も思考力も増します. 解説が詳しければ詳しいほど良いという考えは半分間違っていると思います. "良薬は口に苦し" です. そもそも解説がわかりにくい原因は「王道教材だから」でしょうか?科目そのものがわかりにくい, すぐに理解できるようなタイプの科目ではないことも原因のうちの1つとしてあり得ます.
「解説がわかりにくい」と思ったあなたは解説がわかりやすそうなものをこれから本屋で探すのかもしれませんが, そもそも「わかりやすく見える」ものが本当にわかりやすいかどうかは明らかではありません. 「わかりにくそうに見えるもの」についても同様です. ある人が王道問題集をけなし, マイナー問題集を「よりわかりやすい」と評価していたことがあったので両者を比較してみたところ, 「わかった気にさせやすい内容だけを選択的に掲載している」「真に理解することから遠ざかるような説明をして誤魔化しているだけ」「どうでもいいことばかりを丁寧に書いて, 本来きちんと理解すべき対象をぼかしている」 「文字のフォントや大きさ, 色使い, キャラクターの登場でわかりやすそうな雰囲気を出している」だけでした. 結局「マイナー問題集の方はわかりやすそうな雰囲気が出ているだけで, 中身で判断するなら王道の方がわかりやすい」という結論になりました. 出版社や著者は「わかりやすそう」と思わせるために見た目, 構成, 雰囲気に工夫を凝らし, 商売をしています. 人を騙して金を稼ぐのが基本です.
Q. 人気講師が執筆した教材や講座を勉強の軸にしたいです. 王道とは言えないものですが悪い選択なのでしょうか?
A. 辞書的に調べる使い方をするなど補助的に取り入れるのはアリですがきちんとした王道を軸にすべきです. 自分が得意な内容や説明の仕方に工夫の余地がある内容を厳選して解説し自分の存在意義をアピールしているだけで(それが商売です), 教材自体は網羅性が悪い・本来知らなくていいことを解説しているなど重大な落とし穴がある場合も多くあります.
Q. 実力者の参考書ルートを真似るメリットは何ですか.
A. 敷かれたレールの上を正しく走るだけで合格に必要な量と質(勉強の中身)が自動的に確保されることです. 受験用参考書問題集は星の数ほど存在しており, 書かれている内容, 網羅性, 分量などは千差万別です. 間違った選択をしてしまうといろいろと悪いことが起こります. 「基礎の抜け漏れ」も教材選択の段階で起こり得ます. その他懸念点を挙げていけばキリがないですが, 合格の本質を理解していない段階で自分の勘や好みだけに頼って判断していると気づかぬうちに大きな落とし穴にはまります. ただの落とし穴ではありません. 仮に落ちても, 自分が落ちたことにすら気づけない, そんな落とし穴です.
Q. 勉強法や教材選択に正解は無いのでは?
A. あります. 正解は唯一ではありませんが, 複数の正解の間には共通点があったりもします. 一方で不正解もあります. 不正解のどの例にも足を踏み入れてはいけません. ではどうすれば不正解ルートから逃れることができるのでしょうか? 不正解ルートにも様々なパターンがあり, 不正解の典型パターンを把握したからといって不正解から逃れることができるわけではありません. 不正解全パターンを知ることも難しいです. 解決策は, 正解ルートのうち最も典型的・代表的なもの1つを真似することです.
Q. 方法論は自分で試行錯誤して見つけるものではないでしょうか?
A. 一般論として試行錯誤という行為そのものは重要であると思います. しかし無意味な試行錯誤はカットすべきであると思います*42. 毎年数え切れないほどの受験生が受験し, (形式などは様々ですが)多くの合格体験記が出ています. 確立されている方法論などはいくつもあります. 何をやれば成功するのか予言することが可能です. 自分を実験台にしてあれこれ試す必要はありません. ゼロから試行錯誤している場合ではありません. 我流や自己流は失敗しやすいとも言われているので, 高い実力を得るための方法論を先人の体験から見出すことが第一段階, それを真似て実行するのが第二段階, もし失敗した場合, どのように改善すればその方法論でうまくいくのかを試行錯誤するのが第三段階です.
Q. 実力者は頭のつくりが違うので, その勉強法を凡人が真似るというのは無理がありませんか?
A. 合格水準を上回るために解けなければならない問題というのは才能が問題になるようなレベルではありません. 必要な対策は凡人が取り組めるレベルの範囲内にあります. 実際, 凡人でも簡単にマネできるような教材と方法しか紹介していません. それでも参考にならないというのなら, 受験する大学が間違っているのではないでしょうか.
Q. 王道ではない参考書問題集の中にも良い教材があるので王道である必要はないのでは?
A. そもそも, なぜ「良い」とわかるのでしょうか?「良い」には主観が入ります. 自分が「良い」と思っていることも, 本当は「悪い」ものかもしれません. 中には誤植の域には収らない致命的な間違いを多く含んだ教材もあります. 実は高い満足感を与えてくれるだけのものかもしれません. その教材の特殊性, 独自性に惹かれているだけ(自分が目新しいものを好む性格であるというだけ)かもしれません.
・何を勉強すべきなのか(中身の網羅性, 取捨選択)
・どのように理解すべきなのか, 何をどのように覚えるべきなのか
・どのような問題, どれくらいの分量の問題を通して習得するのが適切であるのか
といった評価基準も重要ですが, これから受験勉強をはじめようとする人が参考書問題集の良さを評価できるのでしょうか? まあ無理でしょう. 欠点を利点だと思い込む, 欠点や利点に気づくことすらできない, それが普通です. しかしそのような状況でも, 我々は山のようにある教材からいくつかの適当な教材を選び抜かなければなりません. そこで王道教材です. 主観に依存した「良い」「悪い」は捨て去って真の実力者たちが何を使ってきたのかに目を向けるべきだと思います. 選ぶべきはその中での多数派です. 「数」で評価するということです. 主観的な良い悪いは捨てましょう. 100人中20人の実力者が使用し「悪い」と評判の教材 vs 100人中80人の落ちこぼれが使用し「良い」と評判の教材, 選ぶべきは前者の教材です.
「○○(受験生があまり知らなさそうな内容)は○○予備校の授業(マイナー講座名)でしか勉強できない」「○○(受験生があまり知らなさそうな内容)は○○(マイナー参考書名)でしか勉強できない」「○○(受験生があまり知らなさそうな内容)は○○(YouTubeチャンネル名)でしか勉強できない」みたいな情報がよく入ります. やはり王道ではなくてもいいのではないでしょうか?
A. 追加で勉強したほうが良さそうな内容があれば王道マイナー関係なく「調べる」「つまみ読みする」「そこだけを勉強する」これだけでよく, マイナー参考書やマイナー講座を全てアタマから勉強する必要はありません.
マイナー参考書やマイナー講座でしか勉強できないことがあるとしたらそれは怪しいです. そもそも勉強する必要がない, 理解する必要がない, 覚える必要がない内容も含まれているでしょう. 取るに足らない内容であるにも関わらず勉強しなければならない内容であるかのように説得するのがうまいだけではないでしょうか. 普通に解けばいい問題なのに, わざわざマニアックな高級知識を引っ張り出して処理するような模範解答(マイナー教材マイナー講座にありがち)を見るとすぐに「それを勉強しなきゃいけないんだ」と感じる人がいるようですが騙されていないでしょうか. 実は教科書や王道参考書, 王道問題集に普通に載っていてる内容だが本人がそれを使ってまともな勉強をしたことが無いだけ, マイナー講座マイナー本のユニークな点をまともに評価できていないだけということもあります.
Q. 中身が良いから王道になっているのではなくて, 王道だからというただそれだけの理由で買う人が多いだけではないでしょうか
A. 多くの人に購入されているというただそれだけのことでは王道とは呼べません. それを使って全国トップレベルの成績を叩き出した人がどれくらいいるのかが重要です. 利用者数よりも実績が重要です.
Q. 一部の人間しか知らない裏ルートの最短経路が存在するはずだ. やはりマイナーな選択をした方が良いのではないか.
A. 間違った選択をする可能性が一気に高まります. 多浪に典型的な思考回路です. 「多浪してでも裏ルートを見つけ出したい」「裏ルートの発見こそが受験の目的である」と考えているのならまあいいかもしれません.
Q. 誰も知らないようなマイナー参考書を紹介している参考書マニアこそ参考書に詳しいということなのでその人を信用すべきでないか.
A. ありとあらゆる書店の参考書コーナーを回り, ネットで情報をかき集めていけば誰でも簡単に参考書マニアになれる. 自分が取り組んでいない教材であったとしても, あたかもその教材を全部やったかのようなレビューが書けてしまう. なぜそんなに参考書マニアが神格化されているのだろう.
Q. 目を付けていた参考書の改訂版が出たばかりなので一気に買う価値上がりましたよね.
A. いいえ. 改訂を加えたことによって内容が悪化した例は多数あります. 改訂内容の良し悪しはどう評価するのでしょうか. 出版社としても売れがよくなるように「改訂した」という事実が欲しいだけだったりします. そもそも改訂版が出されることなく勝手に内容の変更が行われることもあるので改訂版が出たという情報自体に(参考書間の比較において)そんなに意味がありません.
Q. 落ちる受験生の特徴は?
A.
・参考書コレクター, 参考書マニア, 参考書評論家. 出版社のホームページや書店の参考書コーナーに入り浸り, 知る必要のないようなマイナー参考書ばかりを気にしている. 気分で参考書や問題集をコロコロ変える.
・効率の良い方法論探しに必死になって勉強そのものが疎かになっている.
・基礎基本に抜け漏れがある. (教材選びや塾予備校選び, その活用方法に原因があることも多い)
・知識や経験が重要な問題で先天的な発想能力が必要だと誤解している一方, 普段の勉強での理解が浅さに原因があって問題が解けなかった場合にはとりあえず知識経験不足にしておこうとする.
・自分の好みだけで参考書を評価している. (王道教材の中身を否定していいのは, その教材の著者とその教材を使ってまともな結果を出してきた受験生の学力レベルを越え, 入試分析経験で著者を越えてから. )
・誰も知らないようなマイナー教材に限って自分に合っていると思い込んでおり, そのような教材選択をした自分はセンスがあると思い込んでいる. (誰もが知っているような王道教材を正しく使いこなせば, アタリマエのことをアタリマエのようにやれば合格に最低限必要なものはほぼ全て得られることに気づいていないようなので実はセンス無し)
・新しい参考書問題集に価値があると思っている. (本質を捉え違えている. 新しさに本質はない. 最新の参考書問題集を揃えることによってまともな結果を出したという例を自分は1つも知らない. 仮に例があったとしても王道的戦略とは消して言えない. 良い結果を出してきた過去の受験生は新しさに大きな価値を見いだしていない.)
・ネット情報の多くが自分にとって有益であると思い込んでいる. (実際, ネットはゴミ情報の山. ○田塾参考書ルートはウケが良いようだが, 信用してはいけない. )
・塾予備校の講座をとりまくった方が有利であると考えている. 気になったものは何でも受講して安心感を得ている. (こういう人は演習不足や復習の徹底の甘さが敗因になりやすい. 悪い意味でいろんなものに手を出して全部中途半端になり何も身についていないということになりやすい.)
・プライドが無駄に高い. 基礎から積み上げようという意識がなく, (実力が伴ってもいないのに)イキリ目的で無駄にレベルの高い参考書や大学レベルの内容に手を出す.
・難しい参考書問題集に取り組みさえすれば自分の実力もそのレベルに到達すると思っている. 難しい問題集に取り組めた自分の学力もその問題集レベルに達していると思っている.
・「満点」とるためにはどんな勉強をすればいいのかと逆算をし, 無駄な難問対策に注力する.
・大して理解していない聞きかじっただけの用語などをそれっぽい雰囲気で喋ってイキっている. (馬鹿の1つ覚え)
・勉強の徹底度の低さや努力不足は棚に上げ, 自分ができなかったものは問題形式が悪いせいにする.
・本来後天的に獲得できるはずのことも才能の問題と決めつけている. (勉強の出来不出来に才能は関係するが, 合格に必要な点をとるだけなら才能は関係ない. )
・焦りすぎている, すぐに結果を出そうとして重要な勉強をどんどん端折る.
・試験で出そうな内容と出なさそうな内容に自分の偏見だけで分類して, 自分が意味のあると感じる内容しか勉強しようとしない. 試験で出そうな気がする問題しか解かない. (特に王道とされている教材は入試分析のプロが執筆している. 一般受験生とは比較にならなほどの有識者が必要と判断したものを否定するというのはありえない. 入試で出なさそうな内容が意外とよく狙われたりするもの. 自分のこれまでの人生経験に基づいた直感を過度に信用してはけない. )
・レベル順に教材を継ぎ接ぎして最終的に目標大学レベルの教材に到達しさえすればそれまでの過程関係なく目標大学レベルの学力になるものだと思っている. (志望校レベルの教材に到達することなら誰でもできる. そこまでの過程で何をどれだけ身につけたかが重要.)
・自分が解ける解けないに関わらず易しそうに見える問題を嘗める, 避ける.
・教科書例題のような易しい問題が解けることが基礎力であると思っている. 基礎と初歩を混同している.
・基礎基本を軽視し横着する.
・後のことをよく考えず, 誰でも簡単に実行できることで一時的な安心感, 達成感を得ようとする. (高1の間にとりあえず受験全範囲一気に終わらせるなど)
・自分が考えていること, 思っていることが全て正しいと思い込んでいる. 自分が納得のいくような理由付けができることにしか着手しない.
・模試の成績など, 現状から目を背けようとする. 失敗から学ぼうとしない, 反省しようともしない. あるいは, 現実から目を背けるような反省の仕方, 自分の過去の行いを否定しないような反省の仕方をする. (正しい努力を積み重ねれば正答できたはずの問題が多く残っているにも関わらず難問奇問が解けなかったことばかりに目を向けて仕方なかったことにする. 運が悪かったこと, 採点者がハズレれたことだけが失敗の原因であることにする.)
・多浪すればいつか受かると思っている(宝くじ感覚).
・失敗した原因を運のせいにする思考癖がある.
・必然性のある成功を目指さず, 偶然の成功ばかりを期待している.
・本来乗り越えるべき苦痛, 苦労を避けようとしている. 楽に成功できると思い込んでいる. 困難を楽に切り抜けるうまい方法があると思い込んでいる.
・言い訳が多い.
・自分の実力を過大評価する. できていないことをできたことにする.
・塾に通いさえすればいい, 授業に出て理解しさえすればいいと思っている. 塾はどこでも同じだと思っている. 大手予備校に通えばなんとかなると思っている.
・なんでもうっかりミスのせいにする. (例えば教科書の次の1冊目に1対1を選んだ人が言う「計算ミスが多い」は順当である. ミスが際だって多いのなら追及に値する原因と改善の余地があるはず.)
・肝心なところで手を抜き, どうでもいいことに力を入れる. (自覚がない場合が多い)
・誰もやってなさそうな特殊な勉強法や参考書問題集を好み, ごく普通の泥臭い勉強を嫌う.
・自分だけは王道の方法論が通用しない例外的な人間だと思い込んでいる.
・成功者や実力者の方法論は参考にせず, 自分と同じ学力レベルの人, 多浪生に勉強の方法論を聞いている.
・勉強法を勉強しない. (受験初心者であっても先人の失敗パターンや成功パターンから学習することはできる. にも関わらず, 自分の直感を信じて失敗典型パターンの再現を行ってしまう受験生が跡を絶たない. )
・継続できない. 継続するための工夫をしようともしない.
・やった気になれる, やった感じがする, 満足感を得やすいだけの勉強に走る.
・調べる作業に時間をかけている. 調べる作業自体が勉強だと思っている. 調べてまとめてを継続すればいつか力になると思っている.
・やった方がいいことを全て満遍なくやろうとする (数年という短期間で最大の成果を出す必要がある. むしろ「何をやらないか」を決めることの方が重要. )
・取り組みさえすればいいと思っている. その教材で何を身につければいいのか, 何を目標にするべきなのか意識していない. 定着という観点が抜け落ちている.
・模倣すればいいところを自力でやろうとし, 自力でやるべきところで手を抜く.
・特に考えることが重要な科目においては1度理解しさえすればいいと思い込み, 覚えることをサボる. より一般には, 理解と暗記のバランスが極端.
・自分の努力不足を認められず, 根拠もなくとりあえず才能や病気のせいにしておく. (合格に必要なほとんどの能力は「鍛える」ことができる.)
・常に結果(成果)より過程を重視する.
・当たり前のレベルが低いので他の受験生より努力しているという自覚だけが無駄にある.
・王道参考書問題集を全部1周ずつやればいいと思っている, 全部均等に解き散らかしている, 買い揃えて満足している.
・特定の著者, 特定のシリーズ, 特定の出版社の参考書問題集をキリよく買い揃えてキリよく使おうとする.
・何事もすぐに理解できて当たり前だと思っている. 自分の頭を使って考え, 悩むことに耐性が無い. 見てすぐにわかることしか理解しようとしない. わからないことが出てくれば参考書問題集のせいにする.
・参考書や問題集に載っている内容を正確に読んで受け入れる姿勢が無い. 事実をねじ曲げてでも自分にとって都合の良い解釈に落とし込もうとする. 先天的に持っている理解の型にはめることしか考えておらず, 新しい型をつくろうとしない.
・疑問を解決する力が無い. (わからないところが出てきたときにはまず自分の頭でよく考える. 考えることに意味がないなら他の教材やネット検索で調べる, 最後は専門の教師に聞く. )
・悪い意味での完璧主義. 全て完璧にわかることを期待して, 1つわからないことが出てきたらその先は全部わからないものだと決めつけて挫折したことにする. どうしてもわからないこと, どうしてもしっくりこないこと1つ2つ程度を放置してとりあえず先に進む勇気を持っていない.
・「自分に合った○○」にやたらと拘る. うわべだけのメリットしか見えておらず, 重大なデメリットに気づけない, 気づこうともしない. 悪いことにならないのは「自分に合った」方向と「良い結果が出やすい」方向が偶然一致したときだけ.
・自分に合った○○という幻想を信じ込んで「買って試して買って試して.... 」を繰り返し時間を無駄にしている. 多浪への第一歩.
・動画視聴, 対面で直接教わることばかりに拘る. (良いとされているものであればどんな形式であっても積極的に取り入れる. )
・ 志望校の傾向形式に合った参考書問題集で基礎固めをしようとする. (うわべだけしか見えていない)
・普段の勉強はテキトーでも過去問やって形式慣れさえできれば魔法のように点がとれると信じ込んでいる.
・スマホ依存症
・不規則な生活をしている
・質と量の両方を最高レベルにするという意識を持っておらず, 極端なことばかり考えている. 効率や方法論に拘るだけで, 大して勉強していない(休日に10時間11時間勉強することが当たり前なっていない). 逆に, 頑張りさえすればどうにでもなると思っている.
・目的と手段を一致させることに拘る. (「長文問題が解けるようになるには長文問題の解き方対策をするしかない」「最終的には速く読めるようになりたいので速く読む練習ばかりすればいい」「本番で難しい問題が出るのなら難しい問題の対策ばかりしていればいい」「最終的には文法を意識しなくても読めるようにしなければならないのだから文法はやらないほうが良い」 「正誤問題が多く出るなら正誤問題が多く載った問題集を使えばいい」「普段から時間を計って勉強すれば試験時間内に解けるようになる」)
Q. 理系科目で暗記していては応用できないのでは?
A. それは嘘(ただの思い込み)です. 実際, 高度な思考ができる人ほど常識のレベルが高いです. 内容のより深い理解を目指す場合も暗記は欠かせません. 暗記したもの同士を繋ぎ合わせて脳内にネットワークをつくることを想像してください. 「暗記」したもの同士を繋ぎ合わせる操作が「理解」です. 「暗記」していることが多ければ「理解」が容易に進みます. 暗記, 理解両方揃えてはじめて高度な応用可能性を持つネットワークが完成します. 暗記と理解は対立概念では消してなく, 相補的なものです.

Q. 数学がデキる友人はどの教材も1周しかしていないのですが
A. 全て1周しかやらないタイプはたまにいます(が稀です). 問題集50冊に相当するくらいの演習量をこなしていました. 英語ネイティブを想像すればわかる通り, 方法がそんなにきちんとしていなくても圧倒的な量をこなせばデキるようになります. しかし, そんな時間的余裕があるのかしっかり考えてみてください.
Q. 受験数学で論理は重要だと聞いたことがありますが論理の本はやらなくていいのでしょうか
A. 論理は重要ですが論理の本は不要です. 受験数学のA~Cレベルの入試問題を正しく解くうえで最低限理解しておかなければならない論理を「どのようにして身につけるか」が分かれ目となりますが上で挙げた教材を中心にきちんとやっていれば論理で困ることはほとんど無いと思います. 重要な論理については問題集の中で解説されていることも多くあるからです. 論理に特化したきちんとした本を参考書ルートに組み込み丸々1冊隅から隅まで読んで身につける必要はありません. たくさんの具体的な入試問題を通して 生きた論理力を自然と身につけるのが理想だと考えてますし, 実際にそのような勉強が可能です. 実戦的な問題集をやっていくなかでどうしても理解に詰まる部分が出てきたらそこだけを摘まみ読みすれば, つまり辞書的に使えばいいと思います.
Q. 本質がわかっていればどんな問題にも対応できるので, 本質を売りにしたタイトルの本は買うべきではないでしょうか.
A. 本質を売りにした本で本質を学んでどんな問題でも解けるというのは幻想です. 出版社や執筆者は基本的に商売目的でやってます. 言葉を巧みに操って受験生を惑わしてきます. ほとんどの場合受検教材として王道でもないので不要な教材として分類するのが妥当です. その教材だけに着目してやった方がいい/やらない方がいいの2択で議論するのであれば当然前者でしょう. しかし, 同じ時間かけて王道の入試問題集を1冊やることと天秤にかけた場合どちらがより得点力に貢献するでしょうか?
Q. 難しめの入試問題を解いていると, なぜそのような発想が出てくるのかわからないことがよくあります. 発想が天才的すぎてとてもそのレベルに到達できるとは思えません.
A.
①基礎の抜け漏れや理解の浅さが原因(特にこれは本人の自覚が無いことが多い)
②演習量が足りていない(経験を積めば自然と養われるはずのセンスがまだ身についていない)
③そもそも解けなくていい難易度の問題である.
どれかに当てはまることがほとんどです.
Q. 青チャート1対1の初見の問題を1問1問自分の頭で考えて答案を作るという勉強でがよくないのはなぜか.
A.
既に述べたように問題を解くために必要な知識は多くあるので初見の段階で自分の頭で考えることは時間の無駄になります. 結局はそれら教材に載っているようなことは全て頭にたたき込んで常識化しておかなければなりません. 勉強初期段階での「考える」と本番の試験会場での「考える」はだいぶ頭の使い方が違います. 前者はほぼ「0」に近い状態から「1」や「2」を生み出すという意味での「考える」, 後者はこれまで得てきた演習経験, 知識を適切に運用する意味での「考える」つまり「1」「2」から「3」をつくるという意味での「考える」です. 要求されているのは前者の「考える」力ではなく後者の「考える力」です. 「1」「2」の札を確実に入手しておく(典型問題の反復や深い理解に対応)ことが初期段階でとるべき学習方針, それらを組み合わせて「5」や「6」をつくるための具体的方法を学ぶのが次の学習方針です. 実際に自力で解く人を知っているからこそ言えることですが, 自分で考え出した(けれども模範解答とは答えが違う, 或いは答えは合っているけれども過程が少し違っている )ありとあらゆる答案に対してそれが間違いである或いは正解である理由に自力で気づくのは難しいことです. もっと学力をつけてからでないとセルフ添削は無理だろうと思われる場面も出てきます. 教師に聞けば解決することは多くあるかもしれませんが, 無駄に時間を費やす羽目になります. 模範解答に載っていないようなオーソドックスでない別解は汎用性が低いことが多いので教師にリファインされた答案であってもその中身をじっくり勉強することにどれほどの価値があるのか不明になってしまいます. 答案次第ではそもそも解決すること自体が無理ということも起こり得ます. 断片的な知識を滅茶苦茶に切って貼ったような, 必然性も根拠も無いことをそれっぽい雰囲気で誤魔化したような, もはや数学であるのかすらわからない的外れな答案の主が「なぜ駄目なのか」と聞いてきても教師は何も答えられません. 素が滅茶苦茶な答案には修正案すら与えることができません. (余程センス才能がある人を除き)自分の気づかぬうちにそのような状況に陥る可能性は十分にあります. ということでいろいろと面倒なので, はじめから模範解答を軸にして学ぼうということになります. 初見で考えるのは実力が伴ってからです. まともな自己添削ができるようになってからです. 自分の答案が正しいのか間違っているのかを判断する力が無いうちは(他人に添削を依頼しなければならないような学力のうちは)模範解答を理解することに集中すべきです.
試行錯誤力は最終的に重要になりますが, 時間内に完答できる人の試行錯誤過程には系統性があるものだと思います. 50人いれば50通りの試行錯誤過程があるといわけではなく, ほぼ1通り2通り3通りくらいのパターンに落ち着くものだと思います. 試行錯誤は当てずっぽうとか運とかではありません. 知識経験に基づいた必然性のある試行錯誤です.
Q. 青チャートを何周もやると問題を覚えるので理解から遠ざかり意味がないのでは? 異なる問題でも同じと気づけることが大事だと思うで周回法は無意味では?
A.
その問題を通して習得すべき重要な内容(定石/典型手法など)を毎回理解していれば悪い方向には行きません. 周回することによって異なる問題を同じと見抜く力がどんどん無くなっていくわけではありません. (もし無くなっていくのだとしたら理解が浅い可能性があります.) . むしろ周回することによって常識のレベルが上がり, より俯瞰的に理解できるようになるものです. もちろん数学の勉強は網羅系の暗記だけでは終わりません. 後に王道の入試問題集で演習量を多く積むことによって異なる問題を同じと見抜く力がどんどんついてきます. しかしそれを達成できる人はそう多くはないのが現状です. 網羅系の定着度合いが甘いままいろんな問題に触れて情報の洪水になっている人も多くいます. 後の問題演習を意味のあるものにするには, 網羅系を周回して暗記するという準備が不可欠です. 暗記する(定着させる)には同じ問題を何周もやることが効率的であり1周はほぼ無意味です.
Q. 計算技術に特化したタイプの教材はやるべきですか?
A. 不要(時間の無駄)です. まずは青チャート1対1をしっかりやり込んだ方がいいです. 後に問題集でたくさん演習すれば計算の経験値も自然と上がります. 学校から4stepやサクシードといった問題集の課題が出ているのならそれをサボらずにやるのが一番の補強です.
Q. 数学で苦手分野があるのですがその分野に特化した参考書問題集を追加したほうがいいですか
A. いいえ. 実際に追加して得意になった人を知りません. まずは1対1に「戻って」基礎を確認すべきです. 場合によっては教科書を読み返すことも有効だと思います.
Q. 微積分基礎の極意はどうですか
A. 化学の新研究と同様, 受験勉強を効率的に進めるための参考書問題集としての質は低いうえにマイナーだが, 辞書用(調べてそこだけ摘まみ読みする目的)で持っておくだけなら悪くない.
Q. 分野別の対策はしなくていいのですか
A. 基本的には不要.
・特定の分野だけ極端に出来が悪いのなら1対1や場合によっては教科書に戻ればいい.
・はじめからヤマを張って特定の分野だけを勉強するというのはナシ. 確率の分野で勉強した手法が数列の問題解決に役立つといったようなことが実際に起こり得るのでまずは全分野満遍なく700問くらいこなしたうえでそれでも時間に余裕があるというのであれば分野ごとの演習を追加でやればいい.
Q. 横割り教材の優先度が低いのはなぜですか
A. 「これさえ理解しておけば全分野の問題を統一的に扱えてどんな問題でも解けるようになる」と思い込んでいる人がたまにいるが大間違い. 英単語を語源から勉強するのと同じくらいの効果しかない. 限られた範囲の問題たちをひとまとめにして扱っているだけである. 全範囲を網羅していないので, 仮にやるとしてもオマケ的な勉強が妥当. こういうものばかりをやって満足して普通の勉強を疎かにし失敗していく人がよくいるので注意する. 最優先事項は演習量であるので横割は後回しになる.
Q. 数学の問題集は解説が詳しいものが一番優れているのではないか
A. 解説が詳しいことそれ自体は悪くない. しかし解説に膨大なページ数を割いているため掲載問題数が少ない, 読破に多くの時間を費やしたにも関わらず問題演習量が積めていないという本末転倒なことになりやすく, 充実感満足感だけが得られるという欠点も持っていることが多い. 解説の詳しさを重視する前にどれくらいの時間でどれだけの演習量が積めるのか把握しておくべき.
Q. 大学生が大学レベルの数学を使って入試問題を鮮やかに解いていたのでこれから大学の数学を本格的に勉強しようと思いますがどうですか
A.
・そのようなことがあるのは事実ですがマレです. その逆も多くあります. 「大学の数学は大学入試問題を鮮やかに解けるようになるための上級概念」「入試問題が魔法のようにあっさり解けるようになる上級概念」という考えを持っているのならそれは半分間違いです. 本格的に勉強するとなると無駄な内容が非常に多くなり大学受験対策という意味では非常に効率が悪くなります. 加えて大学の数学は理解により多くの時間がかかるので, 同じ時間かけて大学入試問題集10問やっても数学書の方は1ページくらいしか進まないかもしれません. 大学の数学を正しく習得するには(大学受験と同様)演習も不可欠であるので演習の時間も多く確保することが推奨されます. 大学受験のテキストで受験に必要なことは勉強できるというのに, 鮮やかな解法のためにだけそこまでやるのでしょうか. 大学レベルの勉強にメリットが無いということではなくメリットよりもデメリットの方が遥かに大きいということです. やった方がいい/やらない方がいいの2択で議論するのであれば当然前者でしょう. しかし, 同じ時間かけて王道の入試問題集を1冊やること(或いは他科目の優先順位の高い内容を勉強すること)と天秤にかけた場合どちらがより得点力に貢献するでしょうか?
・大学範囲の勉強に一生懸命になって志望校に落ちる人は過去に何人もいます. 一方で, 圧倒的実力で合格した人の中に「大学レベルの数学真面目にやってました」という人はほとんど知りません. 大学レベルの内容を勉強したか否かは合否どころか上位合格か否かにもほとんど無関係でしょう.
・大学受験参考書で紹介される定石には大学以降も重要になるもの, 汎用性の高いものも多く含まれています. 多少まわりくどくてもセンスを養うのに適した解法である場合もあります. それらを身に付けず大学レベルの知識を持ち出して「解けさえすればいい」と言ってあっさり処理してしまうのもどうかと思います. 例えば「ラグランジュの未定乗数法で解いた方が簡単だから」と言って予選決勝法を身に付けないでいるとそのうち痛い目にあうかもしれません. 「重積分使った方が簡単だから」と言って断面を調べる定石を身に付けないでいるとそのうち痛い目にあうかもしれません(枝問形式で特定の解き方に誘導されることは2次試験でもあります). 「三角関数の積分は複素数を利用した方が簡単だ」と言って部分積分による解法を身につけないでいると部分積分が大活躍するやや難しい問題では(訓練不足で)手も足も出ないかもしれません. 否定的なことをいろいろと言いましたが, 外積のようなほぼ高校範囲と言いたくなるようなちょっとした内容を別解として追加で覚えること自体何の問題もないと思います.
Q. エレガントな解法が多く載っているマイナー問題集が気になっています
A. エレガントな解法は多くの場合汎用性が低いです. その問題にしか通用しないことが多いです. マイナーならなおさら不要です. そのような問題集に手を出してエレガントな解法を思い付く「能力」が身に付つくわけでもないと思います.
Q. 理科や数学で基本概念を入れる初学の段階では講義系の参考書を何冊も読んだ方が理解が深まっていいのではないか?
A.
・何冊も読むのは時間の無駄. 優先してやらなければならないことが他に沢山ある. そもそも紹介している参考書は完全に初学者向けであり挫折することは無い. また, 初学の段階で必要なことは網羅されている. 漏らしたものがあったとしてもそれは後から(問題集など通して)回収すべきことであると認識しておくべき. 講義本を読むよりも問題集を通して理解した方がいい基礎概念もある.
・特に理科や数学は情報をたくさん仕入れるだけでは理解は深まらない. たくさん読んで知識を浴びるだけでは理解は深まらない. 分量を絞って1つ1つの内容にじっくり向き合って咀嚼することも必要.
Q. 数学や物理ではどれが覚えるべき公式なのかわかりません. どう判断すれば良いのでしょうか
A. 教科書で枠で囲まれて強調されてる公式は覚えるべきものが多いです. しかしそれが必要十分であるとまでは言えません. 王道教材の中で暗記するしないの言及があればそれに従うのが基本で, あとは具体的な問題に触れる中で, 最低限何を覚える必要があるのかを自分でその都度考えて判断することが必要になります.
Q. 理科は演習量は重要でないのか?
A. そんなに重要ではありません. 典型問題を網羅するくらいの量は最低限必要です.
Q. 物理のマーク試験対策では, どのように考えると間違った選択肢の答えになるのか考えることも勉強として大事ですか?
A. いいえ. 科学を正しく身につけるのにエセ科学の背景知識は原則不要です. エセ科学の背景知識を補助にしないと理解しにくいような科学があるという場合は例外ですがそのようなことはほとんどありません.
Q. 教科書には物理的意味が書いてないと聞きましたが本当に大丈夫なのでしょうか
A.
教科書には物理的意味が書いてないとか言う人がいるがそれは大嘘で本人が教科書をまともに読んでいないだけである. そのような人が手に取る参考書には物理の理解からむしろ遠ざかる余計な話が載っていたりする. わかりやすいのではなくてわかりやすそうな感じがするだけ.
Q. 物理のエッセンスは良くないと言う人がいるが?
A. エッセンスを講義系参考書と捉えた場合ただの要点まとめ本となるので使い物にならないのは当然です. エッセンスを単に問題集と捉えた場合どんな問題が載っているか(問題の学習価値の高さや問題選定や網羅性など)が一番重要で, 解答解説は物理として正しいと言える範囲にあれば(その基準としては答案に書いて丸が来るものであれば)特に問題ありません.
特殊な解法テクニックが載っているように見えたとしてもそれを何も考えずに受け入れるのではなくて教科書や新物理入門に載っている範囲内で物理的根拠から理解しておく必要はありますがそのような勉強は結局どんな物理の問題集使うにしても要求されます.
Q. 物理の教材は特に合う合わないが激しいのではないでしょうか
A. いいえ. 合う合わないなんて無くて, 多くの人は枝葉の部分に翻弄されているだけです. 物理そのものの理解が重要です.
Q. 東工大化学の形式は独特なので重要問題集や新演習はいらないのではないか?
A. 新演習や重問に載ってる問題を改題したり互いに組み合わせたりして東工大風につくり変えることはいくらでもできるので問題形式といううわべだけのことに拘る意味は無いと思います. 過去問同じ年数演習しても点とれる人ととれない人にわかれてしまいますがその差は「過去問演習経験を本番での得点力に結びつける力」「過去問には載っていない問題や変化球に対応する力」「過去問そのものをよく理解する力」の差であり, その差は重問新演習のような網羅系問題集をどれだけ完璧にしてきたかに大きく依存するものだと思います. セミナー重問新演習のうち最低2冊は3~4周くらい回して完璧にすることをおすすめします.
Q. 化学の新研究を読破すれば最強になるのではないか.
A. 残念ながらなりません. 全部読み終わった頃にはほとんどの内容が頭から抜けています. 作業的に読んで勉強した感じを得るだけです. 勉強して損のない内容は山のようにありますがそのようなことを全て完璧に網羅しようと考えだすと本当にキリがありません. Doシリーズくらいの分量のものをメリハリをつけて集中してしっかり読むことをおすすめします. 網羅性については100%完璧とは言えないかもしれませんがまずは最低限の基本的な内容をしっかりおさえ, 次に問題集に取り組み, マニアックな必要な内容を追加で勉強する必要が出てきたらそこだけを補充的に勉強すればよいのです.
Q. 英文は前から後の順に, 英語を英語のまま理解して読むことが大事なので英文解釈の勉強は邪道だと思います.
A.
・むしろ英文を前から後の順に, 英語を英語のままスムーズに読めるようになるための訓練の1つが英文解釈です. そのような訓練によって難しい英文がスムーズに読めるようになります. 英文解釈の勉強をして読解が遅くなったと言う人は無意識レベルまで定着していないことが原因です.
・英文解釈の勉強をしていない人がありとあらゆる英文を前から後の順に, 英語を英語のまま正確に理解して読むことはほぼ不可能です. (読めない英文は読み飛ばせと言う人がいるかもしれませんが読解の深さに悪い意味で影響します. そもそもその方法で本当に凌げるのなら誰も苦労しません. )
Q. 英語長文において未知語の推測, 語源からの単語推測, 読み飛ばす訓練, 速読の練習をするべきではないか.
A. それは成果に繋がらない勉強法です. 王道的な方法では無いうえ, 王道と言えるような教材も存在していないのでそれでうまくいく見込みはほとんどありません. 予備校や塾や出版社は基本的に金儲け目的でやってます. そのような勉強が必要であることを受験生に錯覚させるのが上手なようで, これまで多くの教師や受験生を騙してきました. 未知語の推測は推測の訓練をやってできるようになるものではなく, 英語ができるようになったら自動的にできるようになる類いのものです. 速読も同様です. 語源からの単語推測力なんてそもそも不要で単語を多く覚えれば自然と推測できるようになるものだし, 結局は考える隙もなく0.1秒で意味が思い浮かぶようにならないといけないので簡語源推測の勉強をやっている時間が無駄です. 語源推測が効く単語もほんの一部に限られるのでやはりコスパは悪いです.
Q. 東工大では長文問題2題出るので高校英語はじめたその日から長文対策始めた方がいいのではないでしょうか?
A.
・長文対策が早い人ほど結果的に長文が不得意, 長文対策が早い人ほど結果的に英語が不得意になる傾向があるように思います.
・語彙文法英文解釈の頑丈な基礎力がなければ長文対策は意味をなしません;
読んだ長文の数=基礎固め前に読んだ長文の数×0.05+基礎固め後に読んだ長文の数.
長文は語彙文法英文解釈の融合問題です. 既に定着しているそれらの基本事項のダメ押しの確認の蓄積が速読に繋がります. 「またこのタイプの英文か」「またこの単語か」このような感覚が持てるようになってくると徐々に 「1秒で正確に読める英文の数」が増えていきます. それが速読に繋がります.

Q. どれくらい速く読めればいいのでしょうか.
A. 実は普通に音読するくらいのペースで返り読みせずに読んでいけば全然遅くありません. 速読なんていう言葉は半分嘘です. 目を速く動かすトレーニングは無意味です. 自然なペースで詰まらずに正しく読めることの方が遙かに重要です.
Q. 英語がまあまあ得意な人が「雰囲気で読んでいる」と言っていました. 雰囲気で読む訓練をした方がいいのでしょうか?
A. 雰囲気で読む勉強をしても雰囲気で読めるようにはなりません. ごく普通の勉強をきちんとやっていけば, 知識が無意識化されるまでインプット・アウトプットを徹底すればそのうち雰囲気で読めるようになるというカラクリです.
Q. 未知語を推測させる問題や推測せざるを得ない場合はありますが, 勉強はいらないのでしょうか.
A. 不要です. 推測力=基礎力です. 単語, 文法, 英文解釈といった基礎力さえあれば推測は勝手にできるようになります. 推測の勉強をしても推測力は上がりません.
Q. 英語長文読解が苦手です. 国語力, 読解力, 情報処理力的な能力が必要だと感じました. 長文が長くなると集中力も無くなります. 集中力をつけるための勉強, 情報処理力を高めるための勉強を追加する必要がありますよね? どう勉強するのがいいですか?
A.
・「読解が苦手」は "症状"です. 重要なのは症状の "根本的な原因" を見抜くことです. 原因は本当に読解力がないからなのでしょうか? ナンセンスな分析に基づいた的外れな勉強に走ってしまうのは時間の無駄なので, そこは明らかにしておくべきです. やっておきたい英語長文1000の初見の文章を自力で全訳してみてください. そもそも訳す能力ありますか? 訳せないのなら当然読めません(試験でも常に訳しながら読めと言ってるのではない). 基礎力に問題があります. 次に日本語訳を読んで, 日本語版で問題を解いてみてください. 完全英語バージョンの場合と比較して日本語版本文がより正確に読める, 問題がよく解けるということであれば, 英語力そのものに問題があります. 「集中力がなくなる」という人, 日本語で同じ分量の文章を読んでも常に集中力が同程度奪われているのでしょうか? 「いいえ」なら英語力そのものに問題があります. 特に疑うべきはやはり基礎力です. 長文問題においては文章の意味を理解することが重要なのは確かですが, 文章の意味を理解するにはまず1文1文を正確に理解する必要があります. 1文1文を理解するうえでは語彙文法英文解釈といった基礎が重要になってきます.「単語熟語が見た瞬間に思い浮かばない」「1度アタマからさらっと読むだけでは文構造や意味がとれない」といった人は読解途中でも語彙文法英文解釈の基本事項を思い出すこと, 考えることに脳のリソースを多く割くことになります. 加えて文章の意味も理解しなければなりません. 頭の中はマルチタスク状態, 様々な情報を処理しなければなりません. こんな状況では読解に集中できなくて当然です. 貧弱な基礎力は読解力や情報処理能力, 集中力にも悪影響を及ぼします. 読解力と基礎力は相関しています.
・長文問題のテーマは様々有り得ます. 経済, 医学, 生物, 数学, 言語, 哲学, 教育, 社会, 環境, 情報などです. その分野の概念に触れた経験がなかったりすると読みにくさを感じることもあるので, 基礎が固まっているのならできる限り多くの長文に触れてみることをおすすめします.
Q. 英語長文では問題の解き方を中心に勉強すべきではないでしょうか
A. 長文の日本語訳を読んで日本語文の問題を解いてみてください. 長文の内容をごく普通に理解していれば解ける程度の問題がほとんどではないでしょうか. (仮に日本語版でも解けないくらい高度な読解力を要する設問があるとしたらそれは捨て問です. )
試験時間内に英語を正確に読めさえすれば自然と解けるような問題しか出ないorそのような問題だけを解けば合格するのであれば問題の解き方を訓練する意味はありません. 試験時間内にどれだけ正確に英文を読めるかだけを考えればよく, むしろ鍛えるべきはそこです. 予備校や塾で長文問題の解き方を教わってもほぼ無意味だろうと思います.
Q. 単語や文法は未完成ですが, 模試の英語長文で点を取りたいです. 長文に特化した勉強が最優先ですよね? 苦手なところ・配点の高いところの勉強が最優先ですよね?
A. 「単語固めたら(長文ノー勉でも)長文の点数が一気に伸びた」「文法固めたら(長文ノー勉でも)長文の点数が一気に伸びた」「単語文法だけでは限界があったが, 英文解釈固めたら(長文ノー勉でも)長文の点数が一気に伸びた」という例は山ほど聞いたことがありますが, 「長文苦手だったけれど長文問題集やったら一気に伸びた」という例は1度も聞いたことがありません. 早く結果を出したければまずは基礎を固めましょう. 勉強時間を人より多く確保することによって基礎固めを加速化させる方向で行きましょう. 語彙文法英文解釈が未完成のうちは, 長文の勉強は1分も要りません. 並行するものではありません. 数学で例えるのなら, 青チャートと新数演を並行しようと言っているようなものです.
単語帳は数を絞って繰り返すのではなく何冊も使った方がいいのでは
・まず経験則として単語帳を何冊もやっている人は何も身についていない場合が多い(多浪や成績不振者に多い)ので避けるべきです. 単語帳を何冊も使っていて成績もいい人がごくまれにいますが, その人は単語帳を数を絞って完璧にした後に単語を追加補充しているだけのことが多いです. ちなみに東工大を目指す場合, 鉄壁1冊 もしくはターゲット+鉄壁つまり最大でも2冊を網羅すれば十分戦えるようになっているので補充を徹底する意味は大してありません.
・同じ単語に毎日触れて繰り返すのは長期記憶に入れるテクニックであるので内容定着の面でそこは守るべきです.
Q. 王道単語帳は古いから最新の単語帳を使うべきだと前書きに書いてる単語帳を発見しましたがどう思いますか?
A.
王道を叩き落として自分の著書の売り上げを伸ばすための常套手段, 情弱ビジネスの典型例. 声を大にして嘘の宣伝し人を騙すのは簡単である. (王道単語帳も頻繁に改訂補訂がなされているはずなのだが)古いというのは本当だろうか?客観的根拠はあるのだろうか?あるとして, どの程度の割合だろうか?わざわざ別で対策をしないといけないような最新の重要単語がどれほどあるのだろうか?そもそも最近の入試問題だけを分析して今後も出やすい重要な最新単語を決めるのは無理がある. 最新の単語なんて毎年のようにアップデートされていくので鼬ごっこにしかならない. 最新を売りにする単語帳ですら自分が受験する時には既に古くなっている可能性があり, コスパが悪すぎる.
一般受験生が知らないような最新の単語には注釈がついている, 本文の説明を読めば理解できるようになっている, そもそも読めなくていいものになっている...何れかに該当することも多いはず. それも踏まえて, 対策が必要な最新の単語はどれほどあるだろうか.
「入試問題は新しい」は事実だが, これは近年に限った話ではない. 実力者は王道を選び成功を掴んできたが, これは今も数年前も変わっていない. これが答え合わせ. 本当に最新のものが必要なら王道本は常に変動するはずだが現状はそうではない.
重要な単語が抜けている等々が原因で最新の単語帳を使って失敗する可能性はあっても, 王道を選んだことが直接の原因で失敗することはほとんど有り得ないので, 最新とかいう宣伝に惑わされず王道を選ぶべき.
Q. 英検はとった方がいいですか
A. 高校生なら受験英語に集中すべきだが, 中学生なら準一級までとっておくと有利.
Q. 王道の単語帳を完璧にしたうえで最新のマイナー単語帳をやればいいのでは?
A. 優先順位が低すぎる. 余計なことをやっている場合ではない. 語彙文法を完成させた人であれば英文解釈の完成を急ぐべきだし, それも完成したなら早いうち長文に入ればいい. 他の科目にも優先順位の高いことが残っていないか常に確かめる必要がある.
Q. 単語帳ではなくて実際の長文で出てくる単語だけを拾って覚えた方がいいのでは
A.
いいえ
・一般に長文の中には覚えるべき単語と覚えなくていい単語があります. ターゲット1900や鉄壁は多くの大学の長文で出てくる単語を分析して選び抜かれた単語集です.
・単語の意味を調べることばかりに時間を割くことになるので効率が落ちます. 勉強した感じ(満足感)だけが得られます.
Q. Vintageやネクステ(英語の文法問題集)はコスパ悪そうだし4択問題は試験で出ないのでやらなくてもいいのでは
A.
文法問題形式で直接出題されないことはやらなくていい理由にならなりません. 単語についても同じこと(単語の一問一答問題が出題されないので単語の勉強は不要)が言えてしまいます.
それらの問題集には例えば文法セクション500問くらい載っているわけですが, 1問に30秒かけて読んだとしても4時間くらいで終わります. 1日もかけずに英文法全範囲の総復習ができるのでコスパは良いです. 文法問題のための問題が入っているとかどうでもよいことです. 問題形式になっているというただそれだけの理由で「問題形式の文法にしか対応できなくなる」というようなことは起こりません. 最終的に長文・英文解釈・英作文に繋がる重要文法事項を網羅的に習得することができれば成功です. 下手に参考書探しをしたり予備校の授業をとったりする方こそ無駄であると思います. 中には重要な内容の抜け漏れが多く, 逆に不要な内容が多く入っているマイナー問題集もあります. そのような教材に手を出して失敗するリスクを背負ってでも, 4時間を3時間2時間に減らしたいでしょうか? 軽めのマイナー教材に手を出して失敗することはあっても, ネクステに手を出したことそれ自体が失敗の原因になることは有り得ません.
Q. Vintageやネクステは1冊を何周もやると答えを覚えるし自分が理解しているかどうかがわからなくなるので問題集を何冊もやったほうがいいのでは?
A.
・同じものを何周も繰り返すのは長期記憶に入れるテクニックであるので内容定着の面でそこは守るべきです. 問題集によって載ってる問題が違うのでいろいろなものに手を出すと復習のペースが落ちて効率が悪くなるうえ内容定着度にも悪い意味で影響します.
・答えを覚えても問題ないというかむしろ覚えるべきです. だだしそれは理解しなくていいということではありません. 覚えていてかつ理解しているという状態になっていることを1問1問確かめながら復習するべきです. 問題の解答を覚えていることそれ自体が, 自分が理解しているかどうかがわからなくなる原因になっているようだと, 取り組み方に問題があると思います. もしそのような人がいたとしても, 問題集を別のものにしたところで何の解決にもなりません. 初見の問題が解けたというそれだけの情報だけで自分が本当に理解しているかどうかを判断するのは無理です. 頭の片隅にある内容に引っ張られて偶然正解しただけかもしれないからです. 「解けた」「解けない」だけが重要なのではありません. 初見で解けることが中身の理解を保証するとは限りません. 別の問題集をやるにせよ結局は理解すべき内容が理解できているかその都度確認するプロセスが必要になります. ということなので, 新しい問題集でわざわざやることに大きなメリットはありません. むしろデメリットの方が大きいです.
Q. 英文読解の透視図にはCDがついていないのでクソではないでしょうか
A. CDが付いていないにも関わらず王道であるということは, 英文解釈の勉強においてCD(音)は本質ではないということになります. 実際, 構造とそれに基づいた和訳が重要です. CDが付いていることは優先事項ではありません.
Q. 私が本屋で見た英文解釈の参考書によれば, 難関大で複雑な英文はほとんど出なくなったのでほとんどの参考書は古いそうです. 最新の英文解釈本の方がいいのでは?
A. 「もう古い」は王道を叩き落として自分の著書の売り上げを伸ばすための常套手段, 情弱ビジネスの典型例. 現状, 最新の教材が王道になっていないのでそれが答え合わせ.
そもそも英文解釈は複雑な英文に対処するための方法論であるので複雑な英文に対処するための勉強がいらないという主張は英文解釈の勉強が不要と言っているのに等しく, 信用に値しない. (よく難しいと言われるものとして透視図が挙げられる. 実際は初見で解くのが難しいだけで, 知らなくていい内容が載っているわけではない. このレベルの本ですら, 難関大を受験するのであれば抑えておくべき内容が多い. ) もし複雑な英文は出ないと言っておきながら複雑な英文を扱っているとしたらそれは売り上げ目当ての情弱ビジネス.
Q. ネイティブは文法を知らなくても英語ができるので, 我々も文法の勉強は要らないのではないか.
A.
ネイティブと我々とでは前提が違いすぎます. ネイティブと同じ方法で言語を習得してみてください. 10年間くらいは毎日英語を浴び続けないといけません. 彼らは圧倒的な量をこなしているから英語ができるわけです. 解の公式を知らない状態で2次方程式の問題300問練習したら2次方程式はいつのまにか解けるようになってるはずで, それと似ています(「解の公式なんて知らなくても2次方程式は解ける」と言う人も出てくるかもしれません). しかし, 大学受験受験では限られた時間内で効率よく勉強することが重要になってきます. そのためには文法が欠かせません.
Q. 英語がデキる友人はよくわからない英語ゲームばかりやっていたそうです. 自分もマネすれば彼に追いつけますよね?
A. 「アプリは息抜き暇つぶしにやっていただけで受験勉強は普通にやっていた」「実は帰国子女」「実は昔長い間英会話スクールに通っていた」「実は何年か前に英検1級取得済みでもう勉強することが無い」「実は英語に全振りして一般受験生には真似できないような量をこなしただけ. ありとあらゆる方法を組み合わせて量をこなしただけ.」「実は学校の英語教育が鉄緑並」「実は生まれたときから英語が家庭の標準言語」「実は親のスパルタ英才教育が勉強の中心」「実は中学受験の段階で大学受験範囲まで勉強していた」「そもそも英語の勉強しなくても雰囲気で読める(才能がある)タイプ」
挙げだしたらキリがありませんが, 例えばこのような特殊事情が絡んでいる可能性もあります. マイナー・特殊な勉強ほど再現性が低い, 常識的な受験勉強時間の範囲内で成果を出せないと思っておいていいです.
Q. 文法はレベル別にわかれた文法問題集のレベル1だけやっておけばいいのではないか.
A. 網羅性が怪しい. 同程度の重要度がある内容であっても著者の主観で別々のレベルの問題集に分離されて収録されている可能性がある. 物理で例えるなら「等加速度運動は易しいけど単振動はハイレベル」といったような見方である. レベル2やレベル3でしか扱われていない問題はほぼ全て捨て問なのだろうか.
ちなみに標準的な受験英文法書の基本例文数は600くらいあることが多い. それらは全て難易度も重要度も同レベルとみなしてよいだろう. 問題数が600より極端に少ない問題集は怪しい.
Q. 英語ができる人が「文法はいらない」と言っていたが?
A. 「実は帰国子女」「実は昔長い間英会話スクールに通っていた」「そもそも英語の勉強しなくても雰囲気で満点近くとれる(才能がある)タイプ」「英語全振りタイプ(一般受験生には真似できないような量をこなして得意になったタイプ)」「英検やTOEICの勉強を通して文法も身に着けていた」「難関私立高校受験対策で高校レベルの文法も身に着けていた」これらに該当する可能性もあります.
かつて文法を勉強していたけれども, 受けた恩恵を忘れて「文法は要らない」と言ってしまう人もいます. つまり初学者の視点を忘れて文法不要論を唱える人もいます. 今となっては暗算で足し算ができる我々が「指を折って数える経験は要らない」と言うようなものです. 大学で物理を勉強した学生が「高校物理は要らない」と言うようなものです. 補助輪をつけてはじめて自転車に乗れるようになった人が「今は補助輪なしで乗れるから補助輪は余計だった」と言うようなものです. 気持ちはわかりますが, 初学者にとって不要であることと現在のその人にとって不要であることは全く意味が違います. そのことを認識しておく必要があります.
Q. 英作文の勉強で添削は本当に不要なのでしょうか.
A. はい不要です. 仮に添削を受けて訂正を食らったとします. まず語彙文法語法の基礎基本に関する間違いは論外なので添削を受けている場合ではありません. 添削されてはじめて気づくようでは遅いです. 一方で, 通常の受験勉強では身につかないような語彙文法語法の運用方法もあり得ます. 辞書で調べてはじめて気がつくもの, ネイティブに聞いて初めて知るタイプのマニアックな用法です. これについては添削の価値がありますがそこで学習した知識はその場限りでもう二度と使う機会がないかもしれません. なので予め英作文で頻出/重要な内容だけに絞って例文として暗記しておくことが良い対策になります. 重要でないマニアックな内容は切り捨てても合否に影響しません. 完璧主義にならないことが大事です.
*1:例えば以下で紹介している教材は理系の大学受験を経験したのであれば誰もが知っているような教材ばかりである. 何の独自性も無いからといって逆に避ける人もいるかもしれないが, むしろそのようなごく普通の教材にしっかり取り組むことによって合格までの道筋が明確になり成績の安定化に繋がる.
*2:体系数学は市販されているので学校で配られるのが遅いなら購入してもよい.
*3:雲幸一郎などによる紙上講義/日日演/IAⅡBⅢCのB-Cレベルの入試問題演習コーナー/学コン応募/大数模試あたりを中心にやればいい
*4:特に②③の段階では参考書に載っていないことを自己流で一般化するのはNG. 書いてある内容に則した解釈を行う.
*5:はじめのうちはいろんなタイプの問題で頭が混乱するのかもしれないが, 演習経験がある一定水準に達すると一気に視界がクリアになってくる. そうなるまで演習を続ける.
*6:③の段階で1対1を選択しなかった人にも推奨する
*7:1冊に1年2年もかけていては覚えられない. 毎日10単語ずつ完璧にしていくという方法もNG. 1日で50周やるだけというのも無意味.
*8:耳栓音読と呼ばれる. 科学的根拠は不明だが効果があればラッキーくらいに思っていればいい.
*9:慣れてきたら300語を400語, 500語に変更しても良い.
*10:appleならリンゴの絵🍎を思い浮かべる. イメージの沸きにくい抽象的な単語があれば例文に目を通してみるといい.
*11:やりはじめの頃は3周, 覚えてきた頃に2周~1周に変更.
*12:2周目か3周目に赤シートで隠しながらやってもいい.
*13:素早く目を動かすことは訓練しなくてもできる. 正確に読めるかどうかが最も重要であり, そのうえでスピードが伴っていれば理想的と捉える.
*14:本当に時間がない人はこれ1冊でいい. 英文解釈の技術100でもいいかもしれない.
*15:難しすぎるという噂が立っているがそれはデマで, 実際はそうでもない. 初見で解けと言われたらかなり難しいことは確かだが...
*16:やるとしたら例文中心でいい. 暗証までやって英作文はドラゴンイングリッシュだけにしておく.
*17:中学英語がスラスラ読めるのは精読・和訳ができるからであって, 特別に速読の訓練を積んだからではないだろう. 高校英語を体感中学レベルに落とし込めばスラスラ読めるようになる.
*18:グループD
【(ほとんどいないと思うが)王道どころを読み尽くした人がやってもよさそうなもの】
・東大/京大/阪大/外大/一橋大/早稲田/慶應/上智/明治/千葉/筑波/北大/東北大/名大/神戸大の赤本から7大学くらい選んでバランスよく読む
・英検2級~準1級の過去問
・全レベル問題集 2/3/4/5/6
・英語長文問題精講
・テーマ別英単語ACADEMIC
・速読速聴英単語 中級
*19:とは言ってもノートに自力で訳を書くのではなく既に訳されているものを確認するだけ
*20:訳と文構造解説だけを頼りに正確に読むことは初学者には無理なので1文1文その都度文法書などで調べるといった「作業」を挟むことになる. しかしこれはあまりにも非効率である. 調べるという作業に時間をかけたわりには大して定着に繋がらず(∵特定の単語に出会う頻度が偶然に左右されるから.), 得られるのは満足感ばかり. 危険な勉強に陥りがちである.
*21:全国標準的な英語教育ではその方針が採用されているようだが, その方針に真面目に従ったおかげで英語の成績優秀者になれたなどという人ほとんどいないだろう.
*22:試験で和訳を書き出せと言っているのではない.
*23:「いやつくれる」と言う人は特別な才能がある人か, その程度のレベルの英文しか読んだことがない人か, 本当はできていないのにその自覚が無い人である.
*24:ここを怠って(物理ですらない)小手先テクニックの暗記に逃げた人は「思考力がなかった」「センスがなかった」「試験中テンパった」などという言葉を口癖にするが, 単に物理の基本がわかっていないだけのことが多い.
*25:かみくだいた易しい説明, 直感的な説明が欲しいとき
*26:共通テスト含む過去問演習と並行して基礎知識を補充するとき.
*27:詳しい説明が欲しいとき, もっと情報が欲しいとき, 網羅性のある索引が欲しいとき. 通読はNG.
*28:原理的なところの説明が欲しいとき
*29:主に理論化学の計算問題で納得のいかないことがあったとき
*30:質は高いが形式は少し違う
*31:質は大抵の場合良くないが形式は同じ. ちなみに河合塾の予想問題は高2高3春の模試の使い回しもあるのでレベルや範囲が縮小されていることもある. おすすめはできない.
*32:印刷環境がなければネットプリント利用してコンビニ印刷.
*33: 例外的に良い場合もあるが, やりかたに注意がいる. (→数学の段階④を参照)
*34:逆に気分転換になることもあるかもしれないが...
*35:2年くらいと言われている
*36:10-15年分やって落ちたとすればその原因は過去問演習不足にはないという意味合い.
*37:すべての教材を完璧にするとかいう完璧主義は論外
*38:95という数字に特別な意味はない
*39:そのような人はいなくはないですがかなりマレです.
*40:大して入試に詳しくもないのに有名な先生が言っていたからというただそれだけの理由で嘘を信じ込み拡散する教師や生徒, 信者もいるので注意.
*41:大学の勉強が忙しかったこともあり, 大して長い期間やっていない
*42: 通常あまり議論されないようなこと(例えば適切な睡眠時間や休憩の仕方など)に着目して試行錯誤することには意味があるかもしれません.
